繰延税金資産の取り崩し
楽天Gは1月、23年12月期連結決算で約700億円の繰延税金資産の取り崩しにかかる法人所得税費用の計上と、完全子会社化した楽天西友ネットスーパーに関する減損損失約160億円の計上を行うと発表。植村会計事務所代表で公認会計士の植村拓真氏は次のように解説する。
「会計上の利益と税務上の所得は算出方法が違うので、実際に支払った法人税額が会計上の利益額と一致しなくなる。このズレを調整するのが税効果会計で、ここで計上されるのが繰延税金資産です。会計上の利益よりも税務上の所得が多いときに計上されます。いわば税金を前払いする方式で、繰延税金資産を取り崩すのは次年度以降の利益が見通しよりも低くなると判断したときです。
一方、将来の利益を見込んで投資した土地や設備は資産に計上されますが、投資額を上回る利益を見込めない場合、回収できない分を損失として計上しなければならない。それが減損損失の計上です。
将来に見込んでいた業績が下振れすると判断したからではないでしょうか。繰延税金資産の取り崩しと減損損失はつながっていて、設備投資をして計画通りの業績を見込まない場合、この2つの会計処理を実施することがあります」(2月11日付当サイト記事より)
(文=Business Journal編集部、協力=鈴木貴博/百年コンサルティング代表取締役)
提供元・Business Journal
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