商用車の整備に関する問題のほうが深刻
――整備工場の不足が進行すると、どのような問題などが生じると懸念されるのか。
桑野 今後のモータリゼーションにおいて、どれだけIT化が進むのかはわからないが、自動車は機械である以上、修理が必要であることは変わらないし、事故は減ったとしても起こりうる。クルマは移動手段だけでなく、物流の要でもあるし、整備士や整備工場の問題は自家用車だけでなく、トラックやバスにおいても同様だ。むしろ、そういった商用車の整備に関する問題のほうが深刻かもしれない。
少なくとも古い自動車を走らせ続けるための環境は今後しばらく悪くなる一方だろう。旧車ブームも一段落ついた昨今、クルマ趣味人も冷静になると、温暖化が進む日本でクーラーのないクルマに乗る大変さや、自動車税の重税、ガソリン代の高騰、部品供給の悪化、修理できるメカニックの高齢化など、さまざまな要因から手放すオーナーも増えていると聞く。需要が減れば供給する側のメカニックも廃業が増える。
一方で、新しいクルマを整備するための設備投資と人材確保ができる整備工場と、そうでない工場の格差が広がり、何かに特化したスペシャルショップやスケールメリットを維持できる工場しか経営が成り立たなくなる可能性が高い。いつでもどこでも車検ができる、修理ができる、という状況はそう長く続かないかもしれない。
(文=Business Journal編集部、協力=桑野将二郎/自動車ライター)
提供元・Business Journal
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