「流せるシート」系も詰まりやすい

 ここまで、コストコのトイレットペーパー問題を機に、トイレの排水管詰まり問題を解消するためのテクニックをプロに聞いたが、トイレットペーパーの他にも詰まりやすいものはあるのだろうか。

「実は、トイレットペーパーよりも詰まるのが、流せるタイプのトイレシートです」

 便座を拭く除菌シートや、便器の汚れを拭き取る使い捨てシートにはトイレットペーパー同様「そのまま流せる」ことがウリの商品がある。

「流せるタイプのシートを使っているご家庭のトイレの詰まりを直したことが何度もあるのですが、排水管からそのままシートが出てきます。水に溶けている感じがまったくないんですよね。どういった理由でトイレに流してOKとなっているのかはわかりませんが……」

 そしてもう一つ、流す際に注意したほうがいいものがあるという。

「お薬を飲まれている方の便です。私は医者ではないので詳しいことはわかりませんが、一部の生活習慣病で処方される薬のなかには、便が軟らかくなる作用がある薬があるようです。排水管詰まりでうかがったお宅で、軟らかい便が排水管に張り付いているところが何件かあって、聞いてみたらお薬で便が柔らかくなっていたというケースが結構ありました」

 流せるシートはトイレ内にゴミ箱を設置して捨てればいいが、ゆるい便をゴミ箱にというわけにはいかない。どういった対処が有効なのだろうか。

「便を出した後にいったん水を流して、拭き終わったらもう一度流すといった感じで、流す回数を増やすのが一番です。トイレシートもトイレットペーパーと一緒に流したら詰まりやすくなるので、便座シートを使い終わったら、用を足す前に一度シートだけを流すといったことを心掛けてください」

 節水の逆を行く行為なので、躊躇してしまう方もいると思うが、排水管詰まりを防ぐには一番効果があるという。