SBI、非金融でも増す存在感…半導体工場建設や新生銀行買収、したたかな戦略
SBIホールディングスのHPより(画像=『Business Journal』より 引用)

 現在、SBIホールディングス(以下、SBI)は、さまざまな分野で収益力の拡充に取り組んでいる。金融分野では、デジタル技術の積極的な活用を軸に、地銀との資本・業務提携を増やした。新生銀行も買収した。一方、国内外の非金融分野の企業との関係も強化している。7月、台湾の半導体受託製造企業(ファウンドリ)である力晶積成電子製造(パワーチップ、PSMC)と、半導体工場の建設に向けた基本合意を結んだ。世界的に半導体の重要性は高まっている。工場用地の取得や建設が進むに伴い、その地域を訪れる人の往来も増えるだろう。

 人の動線が復活すると、宿泊施設、交通、小売などの出店も増える。それに伴い、地域(地方)の経済は活性化し、資金需要も盛り上がるはずだ。そうした展開を実現することによってSBIは収益の得られる分野を拡大しようとしている。ただ、世界経済の先行きに不安定感は高まっている。SBIの成長戦略が奏功するか否か、見通しづらさは増している。経済、金融市場の悪化リスクにSBIがどう対応し、成長を実現するかが注目される。