「ミニマリスト」という言葉が広く知られるようになったことから、「物を持たない暮らし」に興味をもつ人も増えているのではないでしょうか。
とはいえ、中には「興味はあるけれど、物を持たない暮らしは不便そう」と感じている人もいるかもしれません。

そこでここでは、株式会社AlbaLinkが行った、物を持たない暮らしを心がけている500人を対象にした「物を持たない暮らしのメリット・デメリットに関する意識調査」のデータについて見ていきましょう。

目次
物を持たない暮らしを始めたきっかけは?
 「物を持たない暮らしを始めたきっかけ」についてのアンケート
 実際に寄せられたコメント
物を持たない暮らしのメリットは?
 「物を持たない暮らしのメリット」についてのアンケート
 実際に寄せられたコメント
物を持たない暮らしのデメリットは?
 「物を持たない暮らしのデメリット」についてのアンケート
実際に寄せられたコメント
調査概要

物を持たない暮らしを始めたきっかけは?

ミニマリストのメリット・デメリット。物を持たない暮らしを心がけている人にアンケート【2024年アンケート調査】
(画像=『FUNDO』より引用)

物を持たない暮らしを始めたきっかけについてのアンケート結果をランキング形式で見ていきましょう。

「物を持たない暮らしを始めたきっかけ」についてのアンケート

ミニマリストのメリット・デメリット。物を持たない暮らしを心がけている人にアンケート【2024年アンケート調査】
(画像=リリース:株式会社AlbaLink、『FUNDO』より引用)

「物を持たない暮らしを始めたきっかけ」の1位となったのは「掃除・片付けが大変(108人)」です。
2位は「引っ越した(96人)」、3位は「物が多くてストレスだった(80人)」でした。

「掃除・片付けが大変」「物が多くてストレス」など、物が多い環境に不便を感じたことがきっかけになった人が多いですね。
また引っ越しなどの大きな変化があり、物を持たない暮らしにシフトした人もいました。

実際に寄せられたコメント

それぞれ、「物を持たない暮らしを始めたきっかけ」について寄せられたコメントを抜粋して見ていきましょう。

1位:掃除・片付けが大変

・物があることで掃除の邪魔になる。そのため不用品はすぐフリマアプリなどに出品することを心がけている(20代 男性)
・整理整頓が苦手で、物を減らしたら楽になるかと思った(30代 女性)
・ダニアレルギーになり、掃除の頻度が増えました。物が多いと掃除に時間がかかるので、物を持たなくなりました(40代 女性)

物が多いと「掃除するときにいちいち物をどかさないといけない」などの手間が発生します。
収納や片付けにも工夫が必要になり、面倒に感じることも増えるでしょう。

そのため、「物を少なくすれば、掃除や整理整頓が楽になるのでは」と考え、物を持たない生活を始めた人も多くなりました。

2位:引っ越した

・引っ越しを2度経験して、ダンボールに入れたまま一度も使わなかった物が多くあることに気づきました。「不要な物は持たないほうが次回引っ越しの際に便利」と感じたため、物を減らしています(20代 男性)
・海外と日本の引っ越しを繰り返して、物を捨てるのが悲しかったから。捨てなくて済むように、物をあまり購入しないようにしています(30代 女性)
・引っ越して部屋が狭くなり、物を極力持たずにいたいと思うようになりました(50代 女性)

大きく分けて「物が少ないと引っ越し作業が楽だから」という人と、「引っ越して部屋が狭くなったから」という人がいます。
引っ越しと不用品の処分を繰り返すうちに「自分にとって本当に必要な物」が見えてきて、自然と物が減った人もいるようです。
運ぶ物が少ないと、引っ越し費用を安くできるメリットもあります。

3位:物が多くてストレスだった

・物が捨てられない性格で、探し物が見つからないことにわずらわしさを感じていたから(20代 男性)
・物の量が多くなって、管理するのが大変になったから(30代 女性)
・所有物が多すぎて、息苦しくなった(40代 女性)

家に物が多いと「常に物が目に入ってリラックスできない」「情報量が多くて疲れる」「探し物が多い」といったストレスを感じます。
そのため物を溜めこんでしまった反動で、物を持たない暮らしを始めた人もいるようです。

「実家に物が多いのが嫌だったので、自分の家は物を少なくしようと決めた」など、家族・実家を反面教師にした人もいました。

4位:部屋を広く使いたい

・部屋を広くしておきたい(20代 男性)
・限られた家のスペースを広く使いたいと思うようになり、家にあるけど使わない物は処分し、新たに物を買い足すときも熟考するようになりました(30代 女性)
・住んでいる部屋が狭いので、なるべく無駄な物は置かないようにしています(50代 男性)

収納スペースが少ない家にも関わらず物が多いと、物が収納からあふれて生活スペースを圧迫します。
生活スペースに物が多いと、ストレスにつながったり、災害時に危険を感じたりすることも。

限られたスペースをできるだけ広く快適に使うため、物を減らした人も多くなりました。

5位:ミニマリスト・周囲からの影響

・部屋の収納が少なく、よい収納方法を探していたときに「ミニマリスト」の存在を知り、物を持ちすぎない暮らしに魅力を感じ、真似するようになりました(20代 女性)
・妻が物を持たない人だった(30代 男性)
・ミニマリストのYouTubeを見たのがきっかけです(40代 男性)

「ミニマリストが発信する情報」「ミニマリストを取り上げた雑誌や書籍」「家族や友人の暮らしぶり」から影響を受けた人も多いようです。
物を減らしすぎると不便と感じる人でも、ミニマリストの考え方に共感できる部分はあるでしょう。

ストイックではないミニマリストとして、「ゆるミニマリスト」を自称し情報発信している人もいます。
「頑張りすぎないなら自分にもできそう」と感じる人も多いのではないでしょうか。

6位:節約したい

・なるべく服を持たないようにしています。服の出費は大きいので、服飾費を抑えることでお金が浮きます(20代 男性)
・物が多いと散らかるうえ、余計な物を買いがち。買ってからしばらくして「同じ物があった」と気づくなど、無駄遣いもしているから(30代 女性)
・貯蓄を重視しているうちに、自然と物を買わず必要以上に持たないようになった(50代 男性)

節約したくて物を減らした人もいれば、節約しているうちに物が少なくなった人もいました。
どちらにせよ、無駄な物を買うことが少なくなると出費が減ります。

物を持たない暮らしが定着してくると、お店やネットで欲しい物を見つけても「物を増やしたくない」という気持ちがストッパーになるでしょう。

7位:もともとシンプルな暮らしが好き

・シンプルな暮らしが好きだから(20代 男性)
・もともと「自分の周囲に物が多い状態」が好きではなかったからです。身の回りは「必ず使う物」と「お気に入り」の「1軍」だけで固めたいです(30代 女性)
・もともと物をあまり持たない生活が好きだからです(50代 女性)

シンプルな暮らしが好きで、自然と物が減っていった人も多いようです。
シンプル好きな人が多くの物に囲まれていると、ストレスを感じることも多いでしょう。

「心地よい空間を追求すると、シンプルになった」という人もいるかもしれません。

8位:部屋の見た目をよくしたい

・「スッキリとした見た目が好き」というのが一番の理由です(20代 女性)
・シンプルだと見栄えがいい(40代 女性)
・「物が多いと家の中が汚く見える」と思うようになったから(60代以上 男性)

物が少ない部屋はスッキリして見えます。
ホテルのようにミニマルで洗練された部屋をSNSなどで見て、憧れる人も多いでしょう。

一方、物が多いと散らかって汚く見えてしまうことも。
収納するにしても「見せる収納」ではセンスが問われますし、「隠す収納」も開けたときにごちゃごちゃして汚く見えることがあります。

9位:物の管理を簡単にしたい

・物がたくさんあると、何がどこにあるのかわからなくなったり、大切な物をなくしたりするので(20代 男性)
・物が増えると整理に時間がかかるからです(30代 男性)
・家にある物をすべて把握しておきたくなったからです(40代 女性)

物が多いと、物をなくしたり物を探すのに時間がかかったりします。
「なくしたと思って新しく買ったら、あとから探していた物が出てきた」といった経験をした人も多いのではないでしょうか。

物が減ると「物の定位置」を決めやすくなるため、探し物や紛失、忘れ物などが減ると期待できます。紛失や忘れ物が減ると、節約にもつながりそうですね。

10位:遺品整理・終活を意識した

・家族が亡くなり、片付けや掃除で大変な思いをしたことがあるから(40代 女性)
・実家の片付けをしていて、「物にあふれている生活は後々大変だ」と感じたから(50代 女性)
・両親が亡くなって実家の片付けをしたときに、物が多くて大変な思いをしました。「自分の子どもに同じ思いをさせてはいけない」と考えるようになりました(60代以上 男性)

この回答に関しては、ほとんどが40代以上の人です。
親族の遺品整理を経験したり、終活を意識する年代になったりして、「物を減らそう」と考える人も多いとわかります。
日々の暮らしを快適にするというよりは、子どもや周囲に迷惑をかけたくないという動機があるタイプです。