NHKにすり寄る民放連
昨年6月29日に日本民間放送連盟(民放連)が発表した「NHKと民放事業者との協力について」という資料にはこうある。
「NHKによる『日本の放送業界への貢献』によって、各地域における情報発信の重要な担い手でありながら厳しい経営環境にある民放ローカル局が、放送番組の制作・提供に注力し、今後も地域に貢献し続けていく環境が整うことを期待しています」
民放連がNHKにすり寄っているのがよくわかる。そして、民放連に対し、電通と博報堂DYメディアパートナーズから、テレビ広告収入の漸減で民放のエコシステムに大きな影響があると説明があったようで、スポット広告収入の割合が大きい民放ローカル局では経費削減が喫緊の課題であると進言されたようだ。NHKのあり方については、総務省の「公共放送ワーキンググループ」で話し合われてきたが、昨年5月の議事録には「放送産業は国内とか電波の届く範囲の中のコップの中の競争をしている場合じゃないという思いが非常に強い(内山構成員)」という発言もあり、総務省とNHK・民放の3者が一体となって「放送業界の維持・発展のため」という論理を作り上げていったのがわかる。