売れないと地獄、売れると天国

 菊原氏は最初の7年間はいわゆるダメ営業マンで、後の4年間はトップ営業マンだったという。住宅営業という仕事は、きついだけでなく魅力もあるそう。

「住宅営業は売れないと地獄、売れると天国なんです。売れない時は、手のかかるようなお客さんからもがむしゃらに仕事を取る。そうすると理不尽な要求をされることも増えて、疲弊する。休日でも『今から来い!』と夜に酔っぱらったお客さんから電話がかかってきて現場に行くようなことも多々ありました。

 売れるとこの状況が、一変します。いいお客さんだけを相手するようになるので、クレームは少なくなるし、急に現場に呼ばれることもない。紹介をいただくこともあって、どんどんいいサイクルになっていく。しかも『あなたのおかげでいい家ができましたよ』と感謝されるとうれしい。自分が提案した家が形になっていくのを見るとやりがいにもなりますし、そのサイクルに入ると本当に天国のようですよ」(菊原氏)

 売れると、給与面でも天国だ。実際に年収1000万も可能だという。

「住宅営業は、基本的に歩合給です。売れない時は基本給の月給19万しかもらえないという会社もありますね。インセンティブは、指定の期間内に売れた棟数に応じて支給されることが多いです。たとえば1棟目10万、5棟目50万、10棟目で100万といった感じ。または、利益の数%がインセンティブになるところもあります。

 会社にもよりますが、年収1000万は十分狙えますし、2000万超えも珍しくないですね。稼げるところは厳しい環境の場合が多く、3カ月とか半年で辞める人が大半ですが、残った人は出世して稼ぎやすくなります」

 住宅営業は給与面では夢があるが、成功するには厳しい環境に身を置く必要がありそうだ。最後に住宅営業で成功する人に共通する人の特徴を聞いた。

「売れない営業は契約したいがために、お客さんに言わないといけないことを隠してしまうことがあります。たとえば、本当なら地盤を固定するのに100万円かかるのに、契約後に伝えてしまうなど。当然、トラブルやクレームにつながります。売れる営業は、お客さんと一生付き合うイメージで正直な営業をする傾向がありますね。そうすると、隠し事もなくスムーズに話が進み、クレームもありません」(菊原氏)

 住宅営業で稼げる人は一定数いる。夢もある世界だが、稼ぐためには覚悟と誠意をもつことが大切なようだ。

(文=福永太郎/編集者・ライター、協力=菊原智明/営業コンサルタント)

提供元・Business Journal

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