休日出勤、夜9時にアポなし訪問は当たり前
では、以前はどのような労働環境だったのだろうか。
「休日返上で働くのが当たり前でした。銀行の手続きやクレーム対応などもあるため、休むと仕事が回らない状況でした。現在は18時に帰社するのが一般的ですが、当時は21時まで訪問営業をしていました。21時にアポなしでインターホンを押していましたから、今考えればおかしいですよね(笑)。そのあと会社に戻るのですが、店長が事務作業をしていると終わるまで帰れない空気があり、やることがなくても帰れるのが23時〜24時頃になり、それでも次の日は8時に出社しないといけない。そんな生活を繰り返していると、次第に体力が削がれていく。
また、住宅営業は、保険や車の営業と違って数が売れないのがきつい。半年間に1件も売れないことは珍しくありません。新築住宅を売っても、リピート購入はなく、固定客もつかないので、新規の案件を取り続けないといけない。歩合制なので売れないと給料は低いままですし、耐えられなくて辞める人も多かったですね。最長7カ月売れなかった時は、毎日辞めたいと思っていました。怒られることよりも、何をやっているかがよくわからなくなり、存在意義が脅かされる感覚のほうがしんどかった」(菊原氏)