2023年チャンピオンチームのレッドブル

レッドブル(オラクル・レッドブル・レーシング)のチーム構成は、ドライバーが「マックス・フェルスタッペン」選手と「セルジオ・ペレス」選手、リザーブドライバーとして控える「リアム・ローソン」選手、「デニス・ハウガー」選手、「ゼイン・マロニー」選手、テストを担うサードドライバーに「ダニエル・リカルド」選手、シミュレータードライバーとして「ルディ・ヴァン・ビューレン」選手といった錚々たる体制です。

チームはオーストリアのエナジードリンクメーカー「レッドブル有限会社(Red Bull GmbH)」を母体とする「レッドブル・レーシング社(Red Bull Racing Limited:RBR)」がチームのマネジメントや運営を担い、技術部門である「レッドブル・テクノロジー社(Red Bull Technology Limited:RBT)」が法人上は別に車体製造を担い、「レッドブル・アドバンスド・テクノロジーズ社(Red Bull Advanced Technologies Limited:RBAT)」がエンジニアリングと商用技術を担い、「レッドブル・パワートレインズ社(Red Bull Powertrains:RBPT)」と日本の「本田技研工業株式会社(Honda Motor Co., Ltd.:HM)」のモータースポーツ会社である「株式会社ホンダレーシング(Honda Racing Corporation:HRC)」が連携してパワーユニットを担い、タイトルパートナーにアメリカのソフトウェア企業「オラクル社(Oracle Corporation)」といったところが概要です。
少し複雑ですが、おおまかに括れば「ドライバー×レッドブル×ホンダ×スポンサー(オラクル他)」といったチームです。

レギュレーションの関係もあって一部ではありますが、レッドブルと同じく「レッドブル有限会社」が母体で姉妹チームのスクーデリア・アルファタウリにもレッドブル・テクノロジー社からリアサスペンションやギアボックスなどが供給されています。

「最強F1チームを支えるホンダのF1フィロソフィー」【自動車業界の研究】
(画像=2023年レッドブルRB19に乗る「マックス・フェルスタッペン」選手(HRC)、『CARSMEET WEB』より引用)
「最強F1チームを支えるホンダのF1フィロソフィー」【自動車業界の研究】
(画像=2023年日本GPでアルファタウリに乗る「角田裕毅」選手と「リアム・ローソン」選手(HRC)、『CARSMEET WEB』より引用)

歴史的勝利を収めた2023年のレッドブル

F1史上稀にみる戦績を収めた2023年レッドブル(オラクル・レッドブル・レーシング)は、チームとしてダントツの速さと強さ、優位性を誇りシーズンを通して他チームを圧倒する全22戦で21勝を挙げて、コンストラクターズと「マックス・フェルスタッペン」選手のドライバーズのダブルタイトルを獲得しました。

レッドブルの強さは、速くて安定して走れるドライバーの「マックス・フェルスタッペン」選手と「セルジオ・ペレス」選手、ほぼ全てのサーキットで他チームを凌駕するマシンのパッケージング、シャシーと足回りや空力といった性能、高出力と高燃費を生み出すパワーユニット、高度に制御を行うシステムなどで、それらを実現するのは優れたエンジニアやメカニック、スタッフといった関係者、チームプリンシパルの「クリスチャン・ホーナー」によるマネジメント力といった総合力の高さに他なりません。
さらにひとつずつ大事に勝っていくというチーム全体の集中力と「マックス・フェルスタッペン」選手のずば抜けた決勝レースでの強さは本当に凄いです。

HRCが関与するパワーユニットは、何と言っても壊れないことをベースにエンジンの軽量高強度、低フリクション、高速燃焼といったトップレベルの性能にエネルギー回生側のデプロイメント(Deployment)の最適化、つまり、MGU-K(Motor Generator Unit Kinetic)によるブレーキング時の運動エネルギーからの電気エネルギー変換や駆動アシストを最適化すること、さらにMGU-H(Motor Generator Unit Heat)による排気ガスからの電気エネルギー変換、ターボコンプレッサーの駆動の最適制御といった全体のエネルギーマネジメントが高度に実現され、パワーユニットとしてトップレベルの実力がチームを支えていたと考えられます。

「世界最高峰のモータースポーツ」のひとつであるF1で1勝するのは想像を絶する至難の業ですが、全22戦でチームとして21勝、そして、「マックス・フェルスタッペン」選手はその内の19勝を挙げており、コンストラクターとしてもドライバーとしてもF1史上最多の年間勝利数です。

「最強F1チームを支えるホンダのF1フィロソフィー」【自動車業界の研究】
(画像=2023年オランダGPの「マックス・フェルスタッペン」選手(HRC)、『CARSMEET WEB』より引用)
「最強F1チームを支えるホンダのF1フィロソフィー」【自動車業界の研究】
(画像=2023年アゼルバイジャンGPの「セルジオ・ペレス」選手(HRC)、『CARSMEET WEB』より引用)
「最強F1チームを支えるホンダのF1フィロソフィー」【自動車業界の研究】
(画像=2023年コンストラクターズタイトルを獲得したオラクル・レッドブル・レーシングチーム(HRC)、『CARSMEET WEB』より引用)