感染初期には拡大防止効果はあるが蔓延時に収束させる効果はない

今回、上海ではこれ以上はできないくらい厳しいロックダウンで糖尿病や自殺の死者が多数出ているが、それでも3/31にロックダウンしていまだ1日5000人です。本当にロックダウンで収束に向かうのなら、完全なロックダウンをしているのに1ヶ月過ぎても5000人も出ているのはおかしいでしょう。結局、ロックダウンによる弊害の方がコロナの被害を大きく上回っている。

コロナのような感染力は強いが致死率はそれほどでもない空気感染のウイルスの場合、長期間のロックダウンは

  • 食糧調達に外出しないといけない
  • ライフラインの担当者は出勤しないといけない
  • 検査で抑え込むには大集合しないといけない
  • 偽陽性は隔離されてしまうだけだが、偽陰性はかなりの確率で出る
  • 陰性でも長期に渡りウイルスを持っている人がいる可能性がある など、完全に遮断できるわけではない。よって、いったん蔓延してしまうと結局はかかりやすい人がみんなかかるまで続く(山火事理論)わけです。繰り返すが、本気でロックダウンで感染拡大を止めようと思ったら、蔓延する前、つまり中国形式で街に1人でもでようものなら完全にその界隈をロックダウンする方式ならなんとか止める事が可能です。ただしいつかは破綻する時が来る。永遠に蔓延させないためには常にどこかでロックダウンしていないといけないわけですから社会は大きく疲弊します。

また、少しでも出たらロックダウンを繰り返すと自然感染の免疫が全くできない。簡単に計算してみました。

上海がロックダウンに全く意味がないことを証明してくれた
(画像=pat138241/iStock 、『アゴラ 言論プラットフォーム』より 引用)

4/28まで、上海の有症者は一日1200人くらい。東京の有症率は92%くらいだったから東京で言うと感染者数は1300人程度で実はまだたいしたことはないのではないか。ロックダウンを解除したらドカンと増えるはずです。実は上海は日本の考え方でいうとまだそれほど蔓延までいっていない。ただし中国でいう無症状が「喉の痛みや微熱だけを含まない」のであれば話は変わってきますからあくまで仮定です。

問題なのは死者数でこの感染者数で一日40人と、東京の20~30倍の死亡者が出ている。東京並みになったら死者は一日千単位になるはずだ。自然感染していないのと、高齢者のワクチン接種率が低いからと思われるが、これが中国がゼロコロナをやめられない理由ではないかと思う。いまさら止めてしまったら香港並みの死者が出るからだ。香港は今年に入ってたった2ヶ月で、つまりオミクロン株で

上海がロックダウンに全く意味がないことを証明してくれた
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より 引用)

日本の2年分の累計の5倍の死者を出した!!

ロックダウンによって自然感染の免疫も無く、ワクチン接種もしていないと(香港は高齢者のワクチン接種率が低く、死者の大半もワクチン未接種の高齢者)、オミクロンはデルタ以前と変わらない毒性を示す。むしろ感染力が強い分、たくさん死ぬという証拠です。オミクロンの毒性が低下したのではなく、人間側が自然感染とワクチンで強化されているのです。

中国では高齢者はワクチン接種率が非常に低いので、いまさらロックダウン方式を解除したらとんでもなく死者が出て、習近平体制が揺らぐのではないかと考えているのではないか。ちなみに中国の人口を考えると香港と同じなら一日6~7万人の死者が出ます。1ヶ月で200万人!

ちなみに台湾はいま猛烈なオミクロンの蔓延で日本のオミクロンのピークよりずっと多い感染者数だが死者は少ない。西側のワクチンが行き届いているからと思われます。台湾は成功例と言えるかもしれない。台湾はロックダウンしていません。

上海がロックダウンに全く意味がないことを証明してくれた
(画像=『アゴラ 言論プラットフォーム』より 引用)