ワクチン接種の影響は軽微
気になるのは、ワクチン接種との関係である。ワクチン接種で死者は減るはずだが、図3のようにワクチン接種数は今年4月から単調に増え、それに並行して超過死亡数が増えている。これは因果関係を示すわけではないが、ワクチンの効果は夏までは大きくない。
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(画像=ツイッターより、図3、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)
他方、反ワクチン派のいうようにワクチン接種で死者が増えるとすると、接種率の高い地域では死者が増えるはずだ。しかし1回接種率が80%を超えた東北地方では、5月以降に超過死亡が増えたが、統計的に有意な上限値ぐらいだ。
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(画像=図4 山形県の超過死亡数、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)
他方、接種率の低い地域では死者が減るはずだが、1回接種率66.4%と全国最低の沖縄県の超過死亡数は、今年2月に上限値を超えた。これはワクチン接種の開始前なので、医療体制の問題だろう。それ以降はほぼ全国平均程度である。
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(画像=図5 沖縄県の超過死亡数、『アゴラ 言論プラットフォーム』より引用)
こうしてみると、ワクチン接種で死者が減る効果は大したことないが、接種によって死者が増えたわけでもない。消去法で考えると、今年の超過死亡の最大の原因は、単なる平均への回帰だろう。