日本の経済的な衰退が顕在化した今、富裕層の保護者は国内の名門私立中学ではなく、海外の名門ボーディングスクールに進学先を変えつつある。なぜ富裕層は海外系のボーディングスクールに子供を通わせるのか? 海外系のボーディングスクールにも合格者を出している英会話スクールの経営者として、その理由を考えてみたい。

ロンドンのインターナショナルスクールの名門・ハロースクール JoeDunckley/iStock

今年、年間費用900万円のイギリス中高一貫校が日本に開校

2022年は日本の教育において「黒船襲来」と言える。

年間の授業料と寮費で合わせて900万円と言う金額のイギリスの中高一貫校が日本に開校したのだ。イギリスの2大名門パブリックスクールの一つ、ハロウスクールの系列校で山形県の安比高原に開校した、ハロウスクール安比ジャパンインターナショナルだ。

ハロウスクールは1572年設立した。イートンカレッジと並び、イギリスの首相を始めとした著名人を多数輩出する名門のボーディングスクールである。

筆者の経営する英会話スクールでは、昨年からハロウスクール安比ジャパンを始めとした海外のボーディングスクールに進学したいと言う問い合わせが急増している。以前はごく一部からの問い合わせしかなかった中学校からの海外留学が、コロナを境に一気に噴き出した状況だ。実際、この8月に4名の児童がハロウ安比校に進学した。