仕事でのボトルネックを解消するTOCフロー

ボトルネックを解消するフローのひとつに「TOCフロー」があります。「Theory of Constraints」の頭文字を取ってTOCと呼ばれており、日本語では「制約条件の理論」と直訳されます。

TOCフローは、ボトルネックとなっている箇所を集中的に管理し、改善に取り組むことで業務の全体最適化を図る際に活用されます。どのような流れでボトルネックを解消するのかTOCフローについて解説します。


仕事でのボトルネックを解消するTOCフロー



  • STEP1.ボトルネックを特定する

  • STEP2.ボトルネックを活用する方法を検討する

  • STEP3.ボトルネックに合わせた方法を検討する

  • STEP4.ボトルネックを改善・強化する

  • STEP5.新たに生じたボトルネックに対応する



STEP1.ボトルネックを特定する

仕事でのボトルネックを解消するための最初のステップは、ボトルネックとなっているポイントを特定することです。

ボトルネック以外の部分で業務効率化を図り、一時的に改善が見られたとしても、ボトルネック自体を解消しなければ全体の作業スピードの改善には至りません。業務を行う度にボトルネックが発生し、対処する手間が発生します。

まずは業務を洗い出し、一連の流れを整理します。その後、各工程を分析してボトルネックを特定します。

STEP2.ボトルネックを活用する方法を検討する

ボトルネックを特定した次に行うのは、ボトルネックを活用する方法の検討です。

ここで注意したいのが、ボトルネックを解消するために人員を増加したり、機材を追加したりしてコストをかけた対策はまだしないこと。まずは、新たなリソースを投入しない状態でボトルネックとなっている箇所の改善を試みます

STEP3.ボトルネックに合わせた方法を検討する

ボトルネックそのものの解消が難しい場合は、ボトルネックに合わせた方法を検討しましょう。ボトルネック以外の工程を効率化し、作業が遅延している箇所をカバーします。

例えば、作業A・作業B・作業Cのうち、作業Bの部分がボトルネックとなっている場合、作業Aと作業Cの稼働時間を短くします。こうすることで余剰生産を防ぐことが可能です。

人員削減や配置転換なども積極的に検討しましょう。

STEP4.ボトルネックを改善・強化する

STEP2、STEP3で現状の状態でできる対策をした結果ボトルネックが改善されなかった場合は、コストをかけてボトルネックの改善・強化を行います。

新たなシステムやツール、設備を導入することで、ボトルネックの改善が期待できます。外部から優秀な人材を採用し、業務に関わってもらうことで効率化を図るのもひとつの方法です。

STEP5.新たに生じたボトルネックに対応する

1つのボトルネックを解消した後は、次なるボトルネックが生じる可能性があります。その際は、またSTEP1〜STEP4までの順番でボトルネックの改善作業を行います。

可能であればTOCフローは継続的に実施しましょう。そうすることで、ボトルネックの発生を未然に防げるほか、ボトルネック発生時には迅速な対応が可能になります。