2023シーズンの明治安田生命J2リーグは、町田ゼルビアがクラブ史上初となる優勝とJ1昇格を達成。また、ジュビロ磐田が1年でのJ1復帰を果たし、残るもう1枠ではプレーオフを勝ち進んだ東京ヴェルディが実に16年ぶりとなるJ1復帰を遂げた。この3クラブのうち、磐田は補強禁止でシーズンを過ごしたが町田と東京Vは積極的に新戦力を迎え入れていた。なかでも昇格に大きく貢献したのがJ1クラブから期限付きで加入していた選手たちだ。
町田では、セレッソ大阪から加入していたFW藤尾翔太やサガン鳥栖から加入のFW荒木駿太が多くのゴールを挙げて貢献。東京Vでも、鹿島アントラーズから夏に加入したFW染野唯月やC大阪から加入のMF中原輝が昇格への大きな戦力となっていた。そして今冬も、J1クラブからすでに多くの選手がJ2各クラブへ期限付きで移籍することが決定している。
ここでは、2024シーズンに向けてJ1クラブからJ2クラブへ期限付き移籍した選手で、活躍が大いに期待できる10名を紹介していく。
藤田和輝
- 所属元:アルビレックス新潟
- 期限付き移籍先:ジェフユナイテッド市原・千葉
2022年からの2年間を期限付き移籍先の栃木SCで過ごしたGK藤田和輝。2024シーズンはジェフユナイテッド市原・千葉で武者修行することが決まっている。千葉は昨2023シーズン、リーグ6位でフィニッシュ。6年ぶりにプレーオフへと進出しJ1昇格へ近づいた。
藤田は昨年栃木で32試合に出場。GKの主力として出場機会を得て、U-22日本代表として第19回アジア競技大会のメンバー入りも果たした。GK鈴木彩艶(シント=トロイデンVV)やGK野澤大志ブランドン(FC東京)など同世代に実力者が揃うポジションではあるが、千葉でもその能力の高さを示し世代別代表での活躍も期待したい。近い将来、所属元であるアルビレックス新潟でのポジション奪取を見据える意味でも重要なシーズンになることは間違いない。
住吉ジェラニレショーン
- 所属元:サンフレッチェ広島
- 期限付き移籍先:清水エスパルス
J1復帰を逃した影響もあってか、主力選手の流出が複数発生している清水エスパルス。しかし、活躍ぶりが楽しみな選手も多数加入している。サンフレッチェ広島から期限付きで清水へ加わったDF住吉ジェラニレショーンは、2020年にJ2水戸ホーリーホックでデビューを飾っており、水戸時代には現在清水を率いる秋葉忠宏監督のもとで戦っていた。
2023シーズンは広島でリーグ戦わずか6試合の出場にとどまった住吉。2024シーズン後の去就について現時点では不明だが、広島に戻り活躍するためにはDF佐々木翔ら日本代表経験を持つ選手たちを超えなければならない。そのためにも、2021年以来となるJ2の舞台で、改めて自身の能力を示しさらに高める必要があるだろう。