当日のポイントは港を出てすぐ
タックルを積み込んで出船を待っていると、船長から「ポイントは出てすぐやから先にタックルをセットしとき」の言葉。出口さんも小浜から出てすぐの答志島手前がポイントになると言う。
慌ててガイドにラインを通し、タイラバをセットする。やはりシンプルな道具立てだけに、セットする時間も短い。午前7時前に船は港を離れ、10分も走らないうちにエンジン音がスローになった。出てきた港が見えるぐらいの距離だ。左手には鳥羽の街並みがはっきり見え、佐田浜の連絡船乗り場もすぐ近くに見える。
このポイントはその日その日によって、全く変わってくる。それまでの実績やこれまで積み重ねてきたデータで、船長がその日最適と思われるポイントを決めるのだ。
タックル&タイラバ
さて、ここでタックルを紹介しよう。ロッドは日本海や伊勢湾で使うタラバロッドで問題ない。リールはカウンター付きのものも出ているが。水深が浅いのでカウンターは必須ではない。重要なのはドラグ性能だ。ワラサやブリなど青物のヒットもあるため、初動がスムーズなものを使いたい。
ラインとリーダー
ラインはPE0.6~0.8号。慣れないうちは0.8号がお勧めだが、慣れてくれば潮切れのいい0.6号を使いたい。リーダーはフロロカーボン3~4号を4~6mほど取る。ここでちょっとした小技を紹介しよう。
前述した通りタイラバはドテラ流しで行う。だが風や潮の強さで、ラインが前方に払い出す角度が変わる。船があまり流れず、ラインが垂直に立つようであればリーダーは6mほどの長め、前に払い出すようなら4m以下の短めにする。
これはラインが立つほど、PEラインが魚の視界に入りやすくなるため。逆に払い出せば、タイラバを横引きに近い状態で引くことになるので、PEラインが魚の目に入りにくくなる。
使うタイラバ
使うタイラバだが、前述の通り水深が浅いので60~80gがメインとなる。日本海や伊勢湾に比べると圧倒的に軽いが、風が強かったり潮が速かったりする場合には、100~120gを使うこともある。
シンカーの素材は高価だが、タングステンがお勧め。比べてみると分かるが、そのシルエットの小ささは浅場においてアドバンテージになることは間違いない。
ネクタイは、この鳥羽沖ではカラーが釣果を左右することが非常に多い。12月初旬現在では、濃いめの赤やオレンジに実績があるが、春先にマダイがノリを捕食するようになると、グリーンや黒が効果的になることもある。基本の赤、オレンジの他にグロー、黒、グリーンなども用意しておきたい。
そしてこの海域において、圧倒的な実績を誇るのが剣屋から発売されているプロスペック極。一見シンプル極まりないタイラバのフックユニットだが、鳥羽エリアでは欠かせないアイテムだ。
活性が高いときはあまり差が出ないが、少し食い渋ったときはこのフックユニットにしかアタリが出ない場面に何度も出くわした。
中でも船長がトラロープと呼ぶハニーBee、赤虎、赤オレハーフ、赤黒などは必須アイテムといっていいだろう。単価は他社のフックユニットに比べてやや高めだが、釣行する際は必ず持っておきたい。