「時間の問題だと感じていた」
14日のスウォンジー戦後、ルーニー解任について三好本人に単刀直入に聞いてみた。一言目に返ってきた「時間の問題だという感じはしていた」という言葉に少し驚かされた。
ールーニー監督が2日に解任されましたが?
三好:チーム全体の雰囲気としてあまりいい状態ではなかったです。なにか変化が必要なタイミングだったのかなという感じは全体的にあったので。チーム全体として負ける試合だったり、勝てる試合を引き分けにもっていかれて、上手くいかないことが続いて全体的に自信をなくしていた感じもありましたし、そういう状況になると少しずつみんな誰かのせいにし始めて。チームの状態も良くなかったですし、立て直す雰囲気も出てこなかったかなというのが僕の感覚的にはあります。
ールーニー監督とのコミュニケーションは?
三好:僕の感覚的にはそんなに喋るタイミングがなかったと言うか。監督から話しかけてくるタイプでなければ、僕自身そんなに話しに行く感じでもないので。イングランド人同士で喋ることは多かったのかなとは思いますが、僕は外国人としての立ち位置なので。別に僕だからというわけではなく、あまりコミュニケーションは取りやすかったわけではないかな。
データから見えるルーニー政権の問題点
15戦9敗という結果以外にも、データを通して見るとルーニー・サッカーの問題点が浮かび上がる。現地メディアのスカイ・スポーツが行った前ユースタス政権とルーニー政権の比較では、平均ゴール数が1.2だったユースタス時に対し、ルーニー時は1だった。また、平均シュート数も前者の12.6に対し後者は12.06と僅差しかない。さらに決定機の割合を比較すると、前者が0.9で後者が0.93とルーニー指揮下の方が上回っていることがわかる。攻撃面で大きな差はなかった両政権だが、結果に差が出た要因として守備面での問題がある。ユースタス時には平均失点数が1だったのに対し、ルーニー監督下では2とその差は2倍だった。
前出のディケンズ記者は、ルーニー・サッカーについて「スタイルが適していなかった。あまりに早急にスタイルを変えたことで最初の3試合で大量失点し、それ以降守備が脆くなり肝心のポゼッションができなくなった」と指摘した。三好自身も「ちょっとミスが重なるとどんどんボールを後ろに下げちゃって、前に行きたい自分たちと守りたい守備陣とチーム全体として目的が定まらなかった。センターバックやボランチの選手はあまりボール扱いが得意ではない。なかなか前を見てくれる選手たちではないので、結局ボールを裏に蹴っちゃう」と振り返っている。
昨年10月のルーニー監督就任時「自分としてはポゼッションサッカーが楽しみ」とも話してた三好だが、ルーニー氏の描いていたスタイルを実現することは予想以上に難しかったようだ。これらのことから、ルーニーサッカーがバーミンガムで大成できなかった大きな要因として、目指すスタイルと実際にプレーする選手との特性の間でミスマッチがあったことが挙げられるだろう。また、三好が語ったように連敗の中でチームを立て直す雰囲気やコミュニケーションが活発にならなかったことも、ルーニー氏が監督としてチームをマネジメントするうえで欠けていた部分なのかもしれない。