冬でも活発なロックフィッシュたち
この釣りのターゲットは、オオモンハタとアカハタ。と聞けば「夏の釣りじゃないの?」と思う人も多いと思う。
ところが黒潮の大蛇行、あるいは温暖化の影響か、この日でも水温は19度以上あり、まだまだ海は秋模様。数日前にも50cmオーバーのオオモンハタや40cmクラスのアカハタを含め好釣果が上がっており、まだまだ楽しめそうな気配なのだ。
投げて落として巻くだけ
ポイントは湾内。ヒラスズキのようにサラシをタイトに撃つ釣りではなく、ジグヘッドリグをボトムまで沈めただ巻くだけ。特にオオモンハタはベイトを追って中層以浅まで浮いてくることもあり、ボトムネチネチ……というロックゲームの概念から大きく外れたターゲットなのだ。
使うジグヘッドは25~40g。水深や潮の速さで使い分ける。ワームは3.5~4inchのシャッドテールタイプ。
カラーは青銀やオレンジ系、赤系などに実績がある。今回ジグヘッドはエコギアのスイミングテンヤ、ワームはバルト3.5inchと4inch、グラスミノーMを使用した。
昼を過ぎてから活性が急上昇
数日前に好釣果が出たというワンドに船を着けた中井船長。タックルはロックフィッシュ用のファーストテーパーのもので、ポイントは船の周囲360度全て。アングラー心理として、どうしても岸に向かって投げたくなるが、ベイトに着いて回遊性のあるオオモンハタは、根周りだけがポイントではない。エサを求めてフラットなエリアもウロついているのだ。
だが期待に反して最初のポイントでは音沙汰なし。少しポイントをずらしても、ロッドが曲がることはなかった。よく見れば、いつも見る尾鷲湾よりも濁りがかなりきつい。たいした雨は降っていないのに、湾奥にある船津川や銚子川の上流でダムの放水があったのか……。
時刻はそろそろ正午。前半をギャンブル性の高いヒラスズキに費やしていたとはいえ、濁りもあってさすがに焦りが出てきた。だが中井船長は確たる自信があるのか、にこやかな笑みを浮かべたまま「大丈夫だって~」と移動を告げる。
そしてその次のポイントで、大宮さんのロッドがきれいに弧を描いた。巻き上げてからフォールに切り替えた途端、ラインがバラバラッと走ったらしい。グングンッと首を振る抵抗を見せ、水面近くでもひと走り見せたが、ネットに収まったのは40cmあるかないかのオオモンハタ。さらに中井船長も35cmをキャッチする。だが濁りの影響か、連発がない。