■性悪女にたぶらかされ、禁断のカニバリズムへ…
どんなに頑張っても父親に認められず、それどころかどんどん嫌われていくと感じたソニーはやる気をなくし、群落の一員として働くことを放棄。同じ頃、性悪なあばずれ女アグネス・ダグラスと知り合い意気投合する。ちなみに、アグネスは魔女だったとされており、次第に「人間を生贄にしたり、魔法で悪魔を呼び出している」と非難する声が高まったため、2人は群落を逃げるように離れた。
ソニーとアグネスは南スコットランドを移動し、目に付いた旅人を襲い金目のものを盗んだ。ソニーが人肉を食べるようになったのはこの頃だと言われている。盗んだものを近場の村で売ると足がついてしまうため、2人は最初絶食し、耐えかねた魔女のアグネスが「カニバリズムがすべてを解決してくれる」とそそのかしたというのだ。アグネスはソニーと出会う前から魔女の儀式の一環として人肉を食べており、カニバリズムに対する恐怖も抵抗も罪悪感も全くなかったのである。2人は無駄に人を殺して食べることはせず、お腹がすいたときだけ、自分達の存在を知られないよう「動物に襲われ食べられたように」細工をし、気を配ったという。