「プレジデントオンライン」によると、日本の警察庁は、2020年に親や親せきなど監護者を子どもへの性的虐待で摘発した事件が、前年に比べて21.5%増加して299件に上ったことを発表したという。コロナ禍の生活変化やストレスが人間を狂気に走らせている可能性もあるが、同様の傾向は他国でも見られるという。特にフランスでは、18歳以上の国民を対象に調査を行った結果、なんと10%にあたる約670万人が、未成年の時に近親者からレイプ、あるいは性的虐待の被害に遭っていたことも明らかになったようだ。近親姦事件は、決して私たちの日常とかけ離れた事件ではないのだ。 この近親姦、人類の歴史を見ても幾度となく繰り返されてきた経緯がある。たとえば、14世紀から15世紀(15~16世紀という説もあり)のスコットランドで、近親姦の結果48人の大家族となった一族が、社会から断絶された洞窟で隠れながら暮らしていたという記録がある。しかも彼らは、生きるために旅人を襲ってはその肉を食べていたとされる。あまりにもおぞましい話であるため、長らく封印されていたというソニー・ビーン一族の伝説。彼らの蛮行と悲惨な最期とは!?
近親相姦は道徳上の理由だけでなく、両親の血縁が近い者同士は共通の劣性遺伝子を持っており、その有害な劣性遺伝子が子孫に受け継がれていく確率がとても高くなることから、許されないタブーとなっている。動物たちにも健康な子孫を残すために近親交配を本能的にさけるというメカニズムがそなわっているほどなのである。
しかし今も昔も、親が我が子を完全な支配下に置き、近親相姦を強制するという事件が世界中で発生している。世間から隔離された場所で生活し、我が子と性交渉したり子ども同士で性交渉させ、子どもを産ませるという狂人的なケースもなくならない。
14世紀から15世紀(15~16世紀という説もあり)のスコットランドで、近親相姦により48人の大家族となった一族が世間との交流を断ち、洞窟に隠れ暮らしていたという伝説がある。一切の教育を受けなかった子ども、孫世代は言葉も満足に話せなかったが、親に絶対服従し、生きるために人を殺してその肉を食べながら生き延びていたのだという。大ヒット中の漫画『進撃の巨人』に登場する2体の巨人“ソニーとビーン”の元ネタにもなった、ソニー・ビーンとその一族である。
■ソニー・ビーン、幼少時の闇
14世紀後半にスコットランドのイースト・ロージアンで生まれたアレクサンダー・“ソニー”・ビーンの子供時代は、悲惨で過酷なものだった。農業群落の中で育った彼の父親は溝掘り作業や廃棄物処理などの肉体労働者で一家はとても貧しかった。父親はソニーに対して「自分に都合のよい、よき息子」になることを強要。幼い頃からよく暴力をふるわれたソニーは、父親が望む通りの息子になろうと努力し大人と共に懸命に働いた。しかし、心の奥底に規則や労働に対する嫌悪感があった彼は、すてばちな態度をとりがちでクビになり、「堅気の暮らしも出来ない奴なのか」「使えない」と父親を失望させた。