DIYやデスクワークなど自宅でも日常使いができる

 家庭においてもポータブル電源は便利な製品だ。その用途は平常時と緊急時に大別できる。平常時の使い方としては庭やベランダ、バルコニー、駐車場などのAC電源がない場所で電動工具を使ったDIYが代表的な例といえるだろう。

 在宅ワークでもポータブル電源は役立つ。一般的なデスクワークではPCとサブのディスプレイ、プリンタ、スマホ、デスクライト、無線LANルーターなどの電力供給が必要となる。製品にもよるが、ポータブル電源を利用すればある程度これらの電力をまとめて供給することも可能だ。また、日常の脚として利用している電動アシスト自転車への充電という使い方もある。

平常時も緊急時も安心安全なポータブル電源を賢く使おう!
(画像=AC電源やUSBポートを備えた
ポータブル電源なら在宅ワークでも便利に使える、『BCN+R』より引用)

 もちろん通常使用している家電製品への電力供給にも使えることは言うまでもない。電子レンジやオーブントースターなど消費電力の大きい家電製品は不向きだが、液晶テレビや各種のオーディオ製品、デジタル家電などは容量が500Wクラスのポータブル電源で十分に電力を供給できる。

 AC電源がない場所で使用できるのはメリットだが、屋内では通常、壁面のAC電源に機器のコンセントを差して電気を取っている。あえて壁面の電源を使わずにポータブル電源を利用するのは意味がないように見えるかもしれない。

 しかし、電力会社によっては夜間または深夜の電力が安くなるプランがある。これを利用して電気代の安い夜間または深夜にポータブル電源へ充電し、電気代の高い日中は、夜に溜めた電気で家電製品を使うパターンであれば、電気代の節約につながる。

 また、アウトドアでの使い方と同様にソーラーパネルを使って日中に充電し、夜は家電製品に電力を供給するという使い方もある。ソーラーパネル自体、決して安価ではなく、日が陰ると発電効率が低下するので天気次第という部分もあるが、壁面のAC電源から充電するのとは異なり、充電コストはかからないのは大きなメリットといえるだろう。

平常時も緊急時も安心安全なポータブル電源を賢く使おう!
(画像=日当たりが良好であれば
マンションのベランダでもソーラーパネルで充電できる、『BCN+R』より引用)

万が一の場合にポータブル電源で電力を確保

 家庭におけるポータブル電源のもう一つの用途としては、停電などの緊急時に電力を確保できることだ。

 近年、地震や大雨、豪雪など自然災害の発生は全国的に増えている。直接、家屋や人命に影響を与える一次災害もさることながら、これら自然災害によって停電が発生して生活に支障をきたす、いわば二次災害も生活に大きな影響を及ぼす。

平常時も緊急時も安心安全なポータブル電源を賢く使おう!
(画像=温暖化の影響で停電の
原因の一つである落雷は増えている、『BCN+R』より引用)

 ポータブル電源があれば災害情報を収集するためのテレビやスマホのほか、調理家電や冷暖房、照明などへ給電することで、停電時でも生活に必要な電力の確保が可能だ。

 災害対策としてポータブル電源を使用する際は、アウトドアや日常使いと異なり、停電後の電力復活までの時間が読めず使用想定時間を自ら決められない。また、ポータブル電源の容量や出力ポート数によって電力を供給できる機器も限られてくる。

 そのため災害対策用としてポータブル電源を購入する際は、持ち運びよりも容量や出力ポートの種類、数を重視して選ぶことが重要だ。さらに前述のソーラーパネルを使えば、停電時でも太陽光でポータブル電源本体に充電ができる。災害時の電源確保という点では、ポータブル電源とソーラーパネルをセットで揃えておくといざというときも安心だ。

平常時も緊急時も安心安全なポータブル電源を賢く使おう!
(画像=ソーラーパネルとセットで
備えておくと万が一のときも安心だ、『BCN+R』より引用)

 ただし、ポータブル電源本体にメーカー・ブランドが異なるソーラーパネルで充電する場合は、互換性の問題から変換ケーブルが必要となるケースが多いため、本体とソーラーパネルは同一ブランドで組み合わせるのが基本だ。