清水エスパルス(現在2位)

残りの対戦カードと今季戦績

  • 第39節:いわきFC(第14節9-1)
  • 第40節:ロアッソ熊本(第20節1-0)
  • 第41節:大宮アルディージャ(第11節3-0)
  • 第42節:水戸ホーリーホック(第1節0-0)

開幕から7戦未勝利。昨年途中から指揮を執っていたゼ・リカルド監督の解任などもあり、前評判とは程遠いシーズン序盤を過ごした今季の清水エスパルス。だが、監督交代を経てチームの立て直しに成功し、7月以降は一時14戦負けなしとようやく期待通りの強さを示した。直近の3試合では、富士山ダービーとも呼ばれるヴァンフォーレ甲府戦で0-0と引き分け。また、静岡三国決戦と銘打たれたダービーでは1勝1敗(藤枝MYFC戦0-2、ジュビロ磐田戦1-0)と期待していたような結果は得られなかったが、磐田戦の勝利で自動昇格圏の地位に返り咲き最終盤を迎えている。

残り4つの対戦カードはいずれも現状ボトムハーフのチーム。自動昇格圏を争う3位以下のライバルたちが、軒並み上位勢との直接対決を控えている中では大きなアドバンテージを有していると言える。加えて今季大勝したカードも含まれており、内容、結果ともにチームがポジティブになれる要素を持っていることも大きい。しかし、まだまだ油断はできない。

今季、清水が1戦目で3点以上の差をつけたカードは全部で5つ(山口、大宮、いわき、藤枝、金沢)。そのうち、いわきと大宮とは2戦目が残っている。この5つのカードの中で1戦目と同様圧勝したのは金沢戦のみ(第18節3-0、第35節3-0)。山口には終盤の得点で辛くも勝利したものの(第30節1-0)、藤枝には敗戦(第37節0-2)。ここから対戦するいわきは首位の町田を倒しており(第37節3-2)、大宮は現在21位で残留争いの真っ只中にある。清水が優位に立っていることは事実だが、足元をすくわれる可能性も大いにある。このまま自動昇格圏にとどまれるか、残り4戦も油断は禁物だ。


東京ヴェルディ 写真:Getty Images

東京ヴェルディ(現在3位)

残りの対戦カードと今季戦績

  • 第39節:ジェフユナイテッド市原・千葉(第10節0-1)
  • 第40節:ジュビロ磐田(第13節0-0)
  • 第41節:栃木SC(第16節2-0)
  • 第42節:大宮アルディージャ(第7節1-0)

シーズン序盤から4連勝を飾るなど、快調に勝ち点を積み上げてきた東京ヴェルディ。得点力では他の上位勢に後れをとっているものの、高い守備力を武器にここまで28失点はリーグ最少。城福浩監督体制の2年目にして高いチーム完成度を誇る。喫した9つの黒星のうち、現状ボトムハーフのチームとの対戦は第19節のベガルタ仙台戦のみ。残りの敗戦はすべて現在トップハーフに位置するクラブとの対戦で、結果論ではあるが下位からは確実に勝ち点を得ていることも安定した強さを示している。だが、残る4つのカードのうち2つが上位勢(千葉、磐田)との対戦で、自動昇格圏を争うライバルとの戦いだ。いずれも今季勝てていない相手であり、まさに明暗を分ける2連戦と言えよう。

冬にDFンドカ・ボニフェイスやFW佐藤凌我、夏にはMFバスケス・バイロンと主力選手の流出もあった今季の東京V。しかし、MF齋藤功佑ら新戦力の働きも目覚ましく、昇格のチャンスを掴める位置までチームを引き上げる原動力となっている。1つ上の自動昇格圏(2位)との勝ち点差はわずかに2。難しい試合が予想される10月の残り2戦、結果次第では最後まで可能性を残すのかそれとも脱落してしまうのかが分かれる重要な局面であり、J1復活に向け同じく黎明期からリーグを牽引してきた名門クラブとの連戦に臨む東京Vに改めて注目だ。

ジュビロ磐田 写真:Getty Images