多様化する採用方式
――新卒採用では、エントリーシートや筆記試験の通過者に人事部や役員が面接を行って合否を決める方式が一般的ですが、ユニークな採用方式が行われている事例はありますか。
安藤 応募者を5~6人のチームに分けて「人狼(じんろう)ゲーム」を行い、あらかじめ設定された人狼役を、会話を通して探し出すのですが、ゲームを進めているうちにチームメンバーそれぞれのありのままの姿が見えてくるのです。それから従来の適性検査とは一線を画した、その企業への不適性度合を見出す「不適性検査スカウター」というウェブ調査も普及しています。
――昨今の人手不足や、新卒入社の4分の1が3年以内に退職する状況を踏まえると、三井住友海上火災の取り組みやワークサンプルは、より有効になってくるのでしょうね。
安藤 いまは財閥系の大企業でもエントリーシートを提出してくる応募者の数が減っていて、大量に採用して年々ふるいにかけていくという余裕はありません。それだけにミスマッチをなくす手法が求められています。面接での評価を面接官の勘に依存すると、勘が当たるか外れるかになってしまい、精度が低くなります。新卒採用では資質を見極める必要があるので、面接官に対して募集職種に応じた資質を明示することです。例えば営業なら初対面で人間関係を構築して維持できる資質や空気を読む力、人事ならデータを読む力、エンジニアなら論理的思考力、販売なら提案力などを見極める質問をして、回答について合否の基準も明確にしておくことが求められます。
(文=Business Journal編集部、協力=安藤健/人材研究所シニアコンサルタント)
提供元・Business Journal
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