効果的なSWOT分析を行うための3つのコツ

SWOT分析を効果的に行うためのコツを3つ紹介します。これらのコツはSWOT分析だけでなく、ほかの分析手法でも大切なことです。

分析の目的を明確にする

まずは何のためにSWOT分析をするのか、分析の目的を明確にしましょう。自社を取り巻く要素を洗い出すSWOT分析は「現状把握」に長けた手法ですが、それだけでは意味がありません。「市場における自社のポジションを確立する」「今までアプローチできていなかった層を取り込む」など、何のために分析をするのかを決めておくことで、意味のある分析ができるようになります。

分析の対象を明確にする

SWOT分析では自社を取り巻く要素を4つに分類しますが、各要素を混同したり誤って分類したりしないように気をつけましょう。特にStrength(強み)とOpportunity(機会)は混同しやすいので、その要素が社内外のどちらにあるのかを慎重に見極めなければなりません。

異なる職種・視野のメンバーを集め、議論する

SWOT分析では客観的・相対的な視点が大切ですが、分析を行うのが人間である以上、ある程度の主観が入ることは避けられません。たとえば営業職と企画職では、どんな企業を競合として挙げるかに違いがあるはずです。

客観的な視点を確保するために、なるべく多くの職種のメンバー、さまざまな視野を持つメンバーを集め議論しましょう。

SWOT分析とよく併用される分析手法・フレームワーク

SWOT分析はあくまで「現状把握」のための手法であり、それだけでは十分な分析はできません。SWOT分析とよく併用される分析手法・フレームワークを紹介するので、自社の目的達成につながる手法を探してみましょう。

クロス分析

SWOT分析で現状を把握した後は、クロス分析を用いて戦略を立てましょう。SWOT分析で洗い出した4つの要素を掛け合わせることで、強みや機会を活かしたり、弱みの補強や脅威へのリスクヘッジをしたりします。


強み×機会

機会を活かすために自社のどんな強みが使えるか、どうすればより成長できるか考える

弱み×機会

機会を逃さないために自社のどんな弱みを補強すればいいのか、どうすれば機会を活かせるのかを考える

強み×脅威

脅威による影響を避けたり小さくしたり、脅威を機会として活かしたりできないか、自社の強みをベースに考える

弱み×脅威

脅威に対するリスクヘッジのために自社の弱みを理解したり、リスクやダメージを抑えるために何ができるか考えたりする






PEST分析

PEST分析は外部環境を洗い出すことに強みのあるフレームワークです。PESTはそれぞれ次の4つの頭文字で、これらの要因が自社にどんな影響を与えるのかを考えます。

  • Political(政治的)
  • Economic(経済的)
  • Social(社会的)
  • Tchnological(技術)

PEST分析では具体的にどんな要素を分析すればいいのか知りたい方は、こちらの記事もぜひお読みください。

関連記事:PEST分析を用いて経営戦略を立案するときのポイント

3C分析

3C分析は「C」が頭文字の次の3つの要素から、自社を取り巻く環境を分析するためのフレームワークです。自社の置かれた状況や活かせるアセットを把握し、競争に勝つために何が重要なのかを分析します。

  • Customer(顧客)
  • Competitor(競合)
  • Company(自社)

3C分析の各要素はどうやって洗い出せばいいのか、3C分析をどのように活用すればいいのか知りたい方には、こちらの記事がおすすめです。3C分析の具体的な進め方を、実例を元に解説しています。

関連記事:『下町ロケット』佃の牙城が崩壊!? フレームワーク思考“3C分析”による競争優位の築き方

5フォース分析

5フォース分析は自社にとっての脅威や、自社を取り巻く競争状況を分析するフレームワークです。競争状況を次の5つの要素に分け、競争戦略の軸を立てます。

  • 新規参入の脅威
  • 競争企業との敵対関係
  • 代替品の脅威
  • 買い手の脅威
  • 配給業者の脅威

これらはそれぞれ何を意味しているのか、5フォース分析を使ってどのように競争戦略を立てればいいのかは、こちらの記事で解説しています。

関連記事:経営戦略における「競争戦略」の立て方【5フォースの手法から見えるもの】

VRIO分析

VRIO分析は自社のアセットを客観的に評価するフレームワークです。内部環境と外部環境というマクロ視点の手法であるSWOT分析に比べ、自社のアセットに特化した分析・現状把握ができます。

  • Value(経済的な価値)
  • Rareness(希少性)
  • Imitability(模倣可能性)
  • Organization(組織)

これらの要素の詳細やVRIO分析とSWOT分析の違い、具体的な分析の進め方などは、こちらの記事で解説しています。

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