■日本を含め各国も人工ニューロンに注目!

 もちろん、我が国でも人工ニューロンの研究開発が進んでいる。2017年7月、産業技術総合研究所(産総研)ナノスピントロニクス研究センター金属スピントロニクスチームの常木澄人研究員、薬師寺啓研究チーム長、同研究センターの久保田均総括研究主幹、福島章雄副研究センター長らが、フランスのパリ・サクレー大学、そしてNISTと共同で、スピントルク発振素子(STO)を用いた人工ニューロンを考案、原理を実証したと発表している。

 研究チームは、この人工ニューロンを使って人間の脳神経回路網を模したニューロモロフィック回路音声認識システムを構築するとともに、人間が発声した「0」~「9」までの数字(英語)を認識する実験を行った。すると、学習回数が少なくても、なんと最大99.6%もの正答率だったという。