ゴールキーパー
前川黛也(ヴィッセル神戸)vsシュミット・ダニエル(シント=トロイデンVV)
たった1人しかピッチに立つことのできないポジション、ゴールキーパー。GK大迫敬介(サンフレッチェ広島)が右手骨折によりアジア杯欠場が決定的となった今、そのポジションをめぐる競争は加熱している。11月16日のアジア2次予選ミャンマー戦でA代表デビューを果たしたGK前川黛也と、元日のタイ戦では招集外となったGKシュミット・ダニエル。このベテラン2人も当然その競争に加わっている。
今2023シーズンの前川は、ヴィッセル神戸の守護神としてリーグ戦全試合出場し優勝に貢献。父親で元日本代表GKでもある前川和也氏に匹敵するほどのすばらしいゴールキーパーへと成長してみせた。また、メディアで目にする姿はムードメーカーそのもので、前川の存在がスター集団神戸の団結力をさらに高めたと言っても過言ではない。そうしたピッチ内外での働きは、重圧のかかる代表活動においても重宝されるはず。元日に活躍することができれば、一気にアジア杯スタメンの座もあり得るだろう。
一方のGKシュミットは、なかなか出場機会に恵まれずにいる。足元の技術とビルドアップ能力に定評があるものの、所属クラブのシント=トロイデンでは8月20日に行われた第4節のヘント戦(2-2)までスタメン出場するもその後のリーグ戦出場はなく、正GKの座を今回代表に召集されたGK鈴木彩艶に奪われてしまった。シュミットは森保監督の初陣であった2018年のコスタリカ戦(3-0)から招集され、2019年のアジア杯も経験している。前回大会の雪辱を果たすためにも、一刻も早いクラブでの継続的な出場機会が求められる。
アジア杯まで時間はない
1月12日にカタールで開幕するアジア杯まで残り時間のない日本代表。そのわずかな時間でもすばらしいパフォーマンスを発揮することができれば、ここで紹介した8選手はいずれもメンバー入りの可能性が考えられる。悲願の王者奪還へ向け隙のないメンバー構成が期待されるが、まずは元日のタイ戦でアピールと勝利が必要不可欠だ。