セントラルミッドフィルダー 

佐野海舟(鹿島アントラーズ)vs川辺駿(スタンダール・リエージュ)

11月16日のFIFAワールドカップ2026アジア2次予選のミャンマー戦(5-0)でA代表デビューを果たしたMF佐野海舟。途中出場ながら落ち着いたプレーで中盤をコントールしてみせた。今2023シーズンに町田ゼルビアから鹿島アントラーズへ加入すると、すぐさま中心選手として活躍。随所で献身的な守備を見せ、優れたボール奪取能力が高く評価されている。

現日本代表のメンバーを考えると、守備的なMFの枚数にはやや懸念が残る。そこで、佐野のような若いプレイヤーをポストMF遠藤航(リバプール)として見据え経験を積ませることも、今後の日本代表にとってプラスになるはずだ。

一方、ベルギーリーグで好調を維持しているMF川辺駿には即戦力としての力がより求められる。中盤ながら積極的な攻撃参加を武器とする川辺は、2023/24シーズン第19節時点で6ゴールを決めており、チームの主力として活躍。また、献身性も非常に高く、上手くて走れるボックス・トゥ・ボックスのスタイルに磨きがかかっている。

遠藤やMF守田英正(スポルティングCP)といった中盤のプレイヤーがひしめく日本代表で、お互いが残り少ない期間で自分の特徴をいかにアピールできるかが、アジア杯へのメンバー入りには不可欠だ。

森下龍矢(左)橋岡大樹(右)写真:Getty Images

サイドバック 

森下龍矢(名古屋グランパス)vs橋岡大樹(シント=トロイデンVV)

12月22日に、名古屋グランパスからレギア・ワルシャワ(ポーランド)への期限付き移籍が発表されたDF森下龍矢は「海外挑戦が夢だった」とクラブ公式サイトで話しており、並々ならぬ決意で元日の舞台に臨む。

上下運動を繰り返し行うことのできる走力と持ち前のスピードでサイドを駆け抜ける森下は、両サイドバックと中盤でプレーのできるポリバレント性(複数の役割、ポジションを担える)が評価されており、連戦が続く舞台では貴重な存在だ。今年6月15日のエルサルバドル戦(6-0)で左サイドバックとしてA代表デビューしたもののその後の出場はなく、アジア杯に向け今回をアピールの場にしたいところ。

そんな森下と同じくサイドバックを主戦場としているのがDF橋岡大樹だ。所属クラブであるシント=トロイデンでは、182cmという恵まれた体格と豊富な運動量でフィジカルの強い外国人選手たちを相手に右サイドバックの主力として活躍。ここ数年はクロスによるチャンスメイクも増え、さらなるステップアップも噂されている。

また、代表では10月17日開催のチュニジア戦(2-0)においてリードした展開のなか82分に投入されると、クローザーとしての役割を全うしチームの無失点に貢献した。また、この試合で縦関係を組んでいた同サイドバックのDF菅原由勢(AZアルクマール)は、現代表における右サイドバックのファーストチョイスであり、橋岡が菅原との共存を示すことができれば森保監督を悩ませる存在になるはずだ。


前川黛也(左)シュミット・ダニエル(右)写真:Getty Images