■最後の犠牲者
いつの頃からか、トロントのゲイコミュニティでは「ゲイを狙う連続殺人犯がいる」という噂が流れ始めていた。しかし、人の出入りの激しい特殊なコミュニティゆえなのか、あるいは行方不明者が移民だったからなのか、警察が噂を真剣に取り扱うことはなかった。この警察の姿勢は後に大きな批判を浴びることとなる。
2017年6月、マッカーサーはアンドリュー・キンズマン(当時49)という白人男性を殺害した。マッカーサーの他の被害者と異なり、キンズマンはゲイコミュニティ内でもよく知られた人物であり、行方不明になるとすぐに警察と仲間たちによる捜索が始まった。

キンズマンは過去にマッカーサーと関係を持ったことがあり、カレンダーの行方不明になった日には「ブルース」と走り書きが残っていた上、捜査で二人がマッカーサーの車に乗っていたことも判明した。一説によると、マッカーサーは自身の犯行をキンズマンに気づかれたために彼を殺した可能性がある。
同年11月、マッカーサーが車を処分すると、警察はすぐにそれを押収。車内からはキンズマンとセリム・エセンという別の行方不明者のDNAが発見された。警察はマッカーサーを徹底的にマークし、彼がキンズマンとエセンを殺害したと確信した。
2018年1月、当局は密かに令状を取って逮捕の準備を進めていたが、そこに緊急の連絡が届けられた。マッカーサーが自分のアパートに男性を連れ込んだというのだ。
警察は即座にマッカーサーの逮捕を決め、アパートに乗り込んだ。部屋のベッドには、全裸で頭に黒い袋を被せられた男性が拘束されていた。マッカーサーは容疑を否定したが逮捕され、部屋からは過去の被害者たちの遺留品が多数発見された。パソコンからは被害者ごとに整理された犯行時の写真が発見され、ベッドに拘束されていた男性のためのフォルダもすでに用意されていた。

マッカーサーはキンズマンやエセンを含む8人の殺人や死体遺棄の罪に問われたが、裁判で反省の様子を見せることはなかった。終身刑を宣告され、このまま刑務所内で生涯を終えるとみられている。
なお、マッカーサーの犯行の全貌は明らかになっていないと主張する人々もいる。トロントでは1975〜78年にもゲイの連続殺人事件が起こっており、こちらも彼による犯行ではないかというのである。『殺人サンタ』マッカーサーが心に秘めた闇は、未だ解明されていないのである。
参考:「7News.co.au」「Wikipedia」ほか
※ こちらの記事は2020年3月7日の記事を再掲しています。
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提供元・TOCANA
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