■目覚めていく暴力性
30年連れ添った妻と離婚したマッカーサーは、オシャワの家を出てゲイコミュニティが盛んなことで有名なトロントに移住した。マッカーサーはゲイバーに盛んに出入りする一方、出会いの場として盛り上がり始めていたインターネット上でも相手を探すようになった。
マッカーサーはSMや緊縛といったジャンルに興味を持っており、その趣味がエスカレートしたのだろうか、2001年のハロウィンに、チャットで知り合った男性のセックスワーカーを鉄パイプで数回殴ってケガをさせている。逮捕されたマッカーサーはこの事件のことを「覚えていない」と証言しており、セックスの前に摂取した薬物の影響があった可能性もある。マッカーサーはこの事件で有罪判決を受け、6カ月の外出禁止と3年間の保護観察となった。
ケガをさせた男性との接触禁止令が出されて行動範囲が狭まった上、ゲイコミュニティからも追放されたマッカーサーは、しばらくの間セックスワーカーたちと接触することができなくなった。その一方で、トロントに来てから始めた造園業は好調で、時々人を雇わなければならないほど繁盛していた。