お金を無駄にしたいときに観に来てください

――最初の『電エース』で監督ご自身が電一役で出演して、そのまま35年出演し続けていますね。
河崎:それはお金がないからですよ。ずっとお金がない中でやってきました。だから、昔の東宝映画に憧れます。俺も『ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発』で似たようなことをやったけれど、規模が違う東宝映画はやっぱり夢ですよ。
そんな東宝が世界的に仕掛けているからゴジラは当たっています。一方、こちらは超マイナーで、当然ゴジラを撮れるわけがないから、B級路線です。ゴジラはステーキやフグなどのご馳走で、こちらは駄菓子でうまい棒だから。
――それでも海外にコアなファンがいますよね。しかも、イカやタコを出すと受けると聞いています。
河崎:『いかレスラー』が爆当たりしたからね。イカやタコが出てくると、外国人はバカ受けですよ。日本の怪獣映画でもゴジラにタコが出てくるけれど、あれは海外からの要望だったんです。「タコを出してくれ」って。
俺の次の作品は、松島トモ子さん主演のサメ映画『松島トモ子 サメ遊戯』です。ライオンとヒョウに襲われながら生還した人がサメと戦うんですよ。どうかしているよね?
――そんなバカ映画を監督が撮り続けているのは「劇場に来て笑ってもらいたいから」というインタビューを読みました。
河崎:やっぱり笑いが一番難しいんですよ。感動は楽だからね。誰か死ねばいい。そういうのが一番嫌なんですよ。本当に泣くのが嫌だね。
――ということは、今後も感動映画を撮ることは絶対にないんですか?
河崎:絶対ないね。感動ものはあり得ないですよ。

――最後に、『電エース』を初めて観る方、そして、長年のファンに、それぞれメッセージをお願いします。
河崎:初めて観る人は、常識を超えた完全にどうかしているヒーローもので、ウルトラマンと真逆の世界なので、観ても決して怒らないでください。時間潰しにはいいでしょう。お金を無駄にしたいときに観に来てください。「俺は今日、お金を無駄にするぞ!」という意気込みで。
長年のファンは「やることはもうわかってるでしょ?」です。あなたたちがいるから、俺はバカをやり続けられています。本当に感謝しかないですよ。
――「バカ」だけれども、「突き抜けた天才」という意味なので、「おバカ」じゃないんですよね。
河崎:『天才バカボン』『空手バカ一代』は『天才おバカボン』『空手おバカ一代』と言わないじゃない。それと同じです。
赤塚不二夫と同じで俺は死ぬまでずっとバカですよ。出る杭は打たれるけれど、出過ぎた杭は打たれない。だから、ここまで出たなら、ずっと出るしかないじゃないですか。世界一のバカを目指して。
(文=本間秀明)
『電エースカオス』
2023年12月22日(金) 池袋シネマロサ他 全国ロードショー!
監督:河崎実
キャスト:小林さとし、タブレット純、ハリウッドザコシショウ、藤波辰爾、吉田照美、
グレート小鹿、清水絋治 ほか
2023 年/日本/カラー/DCP
製作:有限会社リバートップ 配給:エクストリーム
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提供元・TOCANA
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