市民団体「環境汚染を懸念、今後も影響を注視」、別の団体は質問状も

 一方、この工場建設に対して疑問を呈する動きがある。札幌市議会議員や北海道議会議員らで組織する「市民ネットワーク北海道」はこう懸念を示す。

「排水等にPFAS(有機フッ素化合物)が含まれ、環境が汚染されるのではと懸念がある」(市民ネットワーク北海道HPより)

 また、千歳市内の市民団体「大地と水を守る有志市民の会」もラピダスの工場建設をめぐって千歳市と市議会に対して質問状を送っている。

「市は、海外の半導体工場周辺で報告されている健康被害について『国内でも多くの工場が立地しているが健康被害の事実は認識していない』、地震洪水対策は『地下水のモニタリングのほか、薬液などの漏えいを防止する対策を行うと聞いている』などと答えた」(12月6日付「北海道新聞デジタル」記事より)

 前述した市民ネットワーク北海道の担当者は、本稿記者の取材に対し「(環境汚染について)環境アドバイザー(専門家)ならびに千歳市の市民団体や苫小牧の市民、私たちも懸念している」と回答。これまでウトナイ湖サンクチュアリでの情報収集、環境保全活動をしている現地市民グループとの情報共有、道内河川の水質に関する聞き取り調査などをしてきたとし、今後は工場の操業による生態系への影響や、特別天然記念物であるタンチョウが飛来・営巣している千歳川流域の環境への影響、市民の安全な水環境の確保、雇用や労働環境など「道内産業に対する影響などを注視していく」という。