心理的な機動力(安心感)
前項で、「安心感」という言葉を使いましたが、心理的要素によってもどこまで沖に出られるかが変わってきます。

例えば、いつエンジンが止まるかわからないクルマでは、長距離のドライブに行く気にはなれませんよね。それと同様に、カヤック・SUPにも沖に漕ぎ出すためには安心感が必要です。
SUPフィッシングはトラブルを想定したエリア内で
インフレータブルのSUPにどうしてもつきまとう不安が、パンクやバースト。パンクは、とがった岩にぶつかったり、フックや魚のヒレなどが刺さったりしてSUPに穴があくことで発生します。バーストとは、夏場の温度上昇などによって、SUP内の空気が膨張することで気室が破裂してしまうことです。

SUPフィッシングに慣れていて、空気圧も毎回バッチリ調整しているとしても、魚をバラした瞬間にルアーが飛んできたり、不意にかかったダツやサメが暴れまわったり……それらの可能性をゼロにすることは不可能に近いでしょう。
複数の気室をそなえているSUPであれば、1つ穴が空いたとしても、すぐに沈んでしまうようなことはありませんが、当然ながら機動力は低下します。その状態で沖から漕いで帰ってくる事態を想像すると……あまり遠くまで行かない方が無難だと言えますよね。
SUPで沖まで出たいのであれば、単独釣行は避けて複数で行くか、近くに他のカヤックやSUP、船舶などの助けが呼べるエリアから離れないことが必要です。
カヤックでも油断は禁物
海上での機動力や、パンク・バーストの不安がないことを考慮すると、カヤックの方が多少はSUPより沖に出られるといえます。しかし、人力であることに変わりはないので、自分の体力を過信しないようにしましょう。
また、カヤックが帰着困難になる代表的トラブルは、パドルの流出やドレンプラグ(水抜き穴の栓)の閉め忘れによる浸水、強風によって前進できなくなるケースなどです。
「予備パドルを装備する」、「出艇前には必ずドレンプラグを確認する」、「出艇後もこまめに気象情報をチェックする」などを怠らなければ、回避できることがほとんどです。沖に出るときは、とくに油断しないでしっかりと対策してください。
おすすめのカヤックを紹介
このように、カヤックとSUPどちらにもメリット・デメリットがあります。簡単にまとめると、陸上での移動のしやすさではSUP、海上での航行性能ではカヤックが優れています。
できることなら、どちらも所有して状況に応じて使い分けられればベストですが、実際はそれが難しいことも多いですよね。そこで、カヤックとSUPのメリットを兼備したおすすめのモデルを1艇ご紹介します。