代理請求特約

 ところで、資産を増やしてそれを介護費用に充てるというなら、何も保険ではなく、株や投資信託でもいいのではないかと思われるが、株や投資信託にはない機能がこの保険にはある。それが「代理請求特約(被保険者請求サポート制度)」だ。介護保険金など被保険者が受け取る保険金や入院給付金などについて、被保険者本人が請求できない特別な事情がある場合に、代理請求人が被保険者に代わって請求できる特約(制度)だ。

 認知症になれば、預貯金の引き下ろしなどは一切できない。このため後見人を付けることを金融機関から求められるが、法定後見人制度では「家族の意向を聞いてくれない」「後見人を変えたくても、認められない」などトラブルが数多く発生している。被保険者本人が認知症を発症して要介護状態になり、保険金の請求を行う意思表示も困難な場合、代理請求人が配偶者となっていれば、配偶者が介護保険金の請求手続きが行える。この特約を取り入れている保険商品は少なく、外貨で資産を増やして介護に使えるこの保険は、業界関係者の間でも「選択肢に入れていい」と高い評判を得ている。

 この商品は他の金融機関や保険ショップで販売されておらず、明治安田生命を通じてしか契約できない。外貨建保険をめぐっては「知らなかった」「聞いていない」というトラブルが多く、高齢者は子どもなども同席がなければ契約できないケースが多いが、子どもや投資の知識がある知人などに同席してもらい説明を聞いてみてほしい。中途半端な思い込みがのちにトラブルとなるので、不明点は理解できるまで何度も質問をし、その対応に不満や疑問を感じたときは担当者を変更してもらったり、支社や拠点に希望を伝えてほしい。保険に加入して1年もすると、その内容を忘れる人が大半だ。保険会社からアフターフォローの連絡が来たときには、外貨建保険に加入している人ほどチェックを怠らないでいただければと思う。

(文=鬼塚眞子/一般社団法人日本保険ジャーナリスト協会代表、一般社団法人介護相続コンシェルジュ協会代表)

提供元・Business Journal

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