インターネットに接続可能な子どものおもちゃが珍しくなくなった近年、保護者にセキュリティー対策の強化を呼びかける声が米国で高まっている。
ネット接続玩具のハッキングは昨年頃から急激に増加しており、有名メーカー、無名メーカーに関わらず、特にデータ保護機能などに脆弱性の目立つメーカーのおもちゃが、ハッカーの標的になっているという。
「たかがおもちゃ」という考えでは、家庭の安全は守れない
家庭用ゲーム機からバービー人形まで、ネット接続玩具の幅がますます広がっている。クリスマス・プレゼントとして、そうしたおもちゃを子供に与えた親も多いだろう。
しかしネットに接続できるという点ではPCやタブレットなどと変わらないにも関わらず、「子供用のおもちゃ」というイメージにまどわされ、家庭内でのセキュリティー対策はおこたりがちのようだ。
USA TODAYを含む米メディアは、ネット接続玩具の危険性に対する専門家の見解を報じている。例えば米サイバー・セキュリティー情報会社、コロラド・サイバーの役員を務めるモリー・ウェンデル氏は、これらのおもちゃを通してこどもの情報が流出するだけではなく、銀行やカード情報を含む家庭内の個人情報が漏えいする可能性を懸念している。
また米顧客サービス・コンサルティング会社、テレテックのサム・マジエッロCISOも、「録音機能のあるおもちゃからメーカーが消費者の会話を盗聴し、広告会社に情報を流すということも可能だ」と指摘。
昨年には「ハロー・バービー」という商品名で米国発売となったハイテク版バービーの脆弱性が、CNETなどに報じられた。「ハロー・バービー」には、人間が話しかけた内容をクラウドに蓄積し学習していくというAI(人工知能)機能が施されているが、外部からの会話記録へのアクセスや持ち主の所在地の特定などが可能であることが確認されている。
研究者が行った実験では、アプリケーションおよびクラウドサーバーのセキュリティーが難なく突破されたという。つまり安全性を謳うメーカー側の主張を鵜呑みにしてはいけないことが、立証されたわけだ。
「たかがおもちゃ」などと甘く見ずに、一般のインターネット・デバイスと同等のセキュリティー対策を施すことが、家庭の安全性を確立するうえ必須となるだろう。
文・ZUU online編集部
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