交差点での事故の過失割合

交差点に限らず、交通事故の過失割合は個々の事故の具体的な状況によって異なります。
本章では以下の2つの事故を例にして、交差点での事故の過失割合について解説します。
- 一時停止規制がある事故の場合
- 右折車と直進車の事故の場合
一時停止規制がある事故の場合
どちらにも信号機のない交差点で、一方の車が走行する道路には一時停止規制があり、もう一方の車が走行する道路には一時停止規制がない場合。
一時停止規制のある方の車をA、一時停止規制のない方の車をBとすると基本の過失割合は以下の通りになります。
A:B=8:2
Aは、道路交通法第43条によって停止線の直前で一旦停止をしなかった点や、第36条第2項「交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない」に反していることから80%程度の過失割合となります。
Bは、道路交通法第36条第4項に反しているとして20%程度の過失があると判断されます。
ただし、基本の過失割合は一概に8:2になるとはいえません。参照する判例によって異なり、過失割合が7:3となった事例もあります。
右折車と直進車の事故の場合
信号機のない交差点での右折車と直進車の事故の場合は、さまざまなケースが考えられ、すべての右直事故の基本過失割合が一概に同じになるとはいえません。
信号機のない交差点での右折車と直進車の事故の場合、以下のようなケースがあると考えられます。
- 道路幅が同程度の優先関係も一時停止規制もない交差点での事故
- 一方が明らかに広い道路幅の交差点での事故
- 一方に一時停止規制がある場合の交差点での事故
- 一方が優先道路の場合の交差点での事故 など
たとえば、1つ目の道路幅が同程度の優先関係も一時停止規制もない交差点での事故の場合。基本過失割合は、右から来た直進車をA、左から来た右折車をBとすると以下のようになります。
A:B=4:6
この場合、第36条第1項の規定「左方車が優先される」ことから、直進車であるAは、過失割合は右折車であるBよりも低いものの40%程度の過失となってしまいます。
交通事故の具体的な状況によって過失割合は変化します。過失割合は保険会社によって決められますが、各保険会社によって異なることはありません。事故の具体的な状況によって過失割合が変わることを覚えておくとよいでしょう。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
【関連記事】
・【新車情報カレンダー 2021~2022年】新型車デビュー・フルモデルチェンジ予想&リーク&スクープ
・運転免許証で学科試験の点数がバレる?意外と知らない免許証の見方
・今一番危険な車両盗難手口・CANインベーダーとは?仕組みと対策方法
・SNSで話題になった”渋滞吸収車”とは?迷惑運転かと思いきや「上級者だ」と絶賛
・トヨタ 次期型ノア&ヴォクシーに関する最新リーク情報すべて