交差点進入時の注意点

【交差点とは】定義や範囲・過失割合・交通事故が多い交差点は?
(画像=『MOBY』より 引用)

交差点に進入するときの注意点は、普段から運転している人にはどれも当たり前に思えるかもしれません。

しかし、疲れて注意が散漫になってしまっていたり、イライラして相手を思いやる気持ちがなくなってしまったりすることもあるでしょう。交差点は事故が多い場所でもあります。

以下の4つの注意点を参考に、ぜひ自身の運転を見直してみてください。

  • 信号や標識に従う
  • 右左折時の優先順位に気を付ける
  • 歩行者や自転車の存在をよく確認する
  • 速度の減速と安全確認は十分にする

1.信号や標識に従う

交差点に進入する前には、信号や標識をよく確認することが大切です。

信号や標識を守るのは当たり前ですが、信号や標識を守らないために重大な事故につながることが多々あります。

交差点に限った話ではありませんが、事故を起こさなくとも信号無視や一時停止標識の無視などは交通違反です。違反点数が1~2点、反則金の支払いなど罰則を受けることになります。

交差点に進入する際は、信号がある場合には青であることを確認したり、標識に従って右左折の制限や優先道路の表示を確認したり、適切な行動を取るようにしましょう。

参考:交通違反の点数一覧表 警視庁

2.右左折時の優先順位に気を付ける

交差点での右左折時には右左折車や直進車、道路の状況などによって優先順位が決まっているため、注意が必要です。

そもそも、交差点における他の車両等の関係については道路交通法第36条と37条で明文化されています。

第36条第1項 車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、次項の規定が適用される場合を除き、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる車両等の進行妨害をしてはならない。
第36条第1項第1号 車両である場合 その通行している道路と交差する道路(以下「交差道路」という。)を左方から進行してくる車両及び交差道路を通行する路面電車
第37条第1項 車両等は、交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない。

引用(抜粋):道路交通法 | e-Gov法令検索

つまり、信号の無い交差点では左から来た車両や路面電車が優先になり、交差点で右折するときは他の車両が直進、左折するのを妨害してはいけないということです。

3.歩行者や自転車の存在をよく確認する

交差点は、車以外にも歩行者や自転車などが行き交う場所でもあります。

内閣府の調査によると、令和2年の自転車乗用中の死者・重傷者数のうち、自転車対自動車の事故によるものは約8割を占めています。

自転車対自動車の事故を類型別に見てみると、すべての類型で交差点内で起きた事故は46%と、自転車と自動車の事故の約半数が交差点内で起きていることが分かります。

交差点に進入する際は当たり前にはなりますが、周囲に歩行者や自転車がいないかよく確認し注意して進むようにしましょう。

参考:第3節 歩行者及び自転車の交通事故の傾向|令和3年交通安全白書(全文) – 内閣府

4.速度の減速と安全確認は十分にする

3と似たような注意点ではありますが、実は安全確認については道路交通法第36条第4項に次のように規定されています。

  • 第36条第4項:車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。

引用:道路交通法 | e-Gov法令検索

交差点では予期せぬ出来事が起こる可能性もあるため、常に周囲の状況を把握し、注意力を高めておくことが重要です。

東京で交通事故が多い交差点は?

【交差点とは】定義や範囲・過失割合・交通事故が多い交差点は?
(画像=『MOBY』より 引用)

一般社団法人 日本損害保険協会が発表している令和3年の「全国交通事故多発交差点マップ」によると、全国の交差点での事故のワースト10に東京の交差点が4つランクインしています。

ワースト10にランクインしているその他の交差点には大阪や兵庫、愛知、沖縄などがあります。

また、この「全国交通事故多発交差点マップ」は都道府県別でもワースト3の交差点を紹介しているので興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

2021年(令和3年)の全国ワースト10にランクインしている東京の交差点は以下の通りです。()内は人身事故件数です。

  1. 大原交差点(29件)
  2. 池袋六ツ又交差点(21件)
  3. 四谷四丁目交差点(18件)

1.大原交差点

全国ワースト1位の交差点は「大原交差点」です。住所は、東京都杉並区和泉1丁目1番。

この交差点は、高速道路の支柱があり、視認の妨げとなっていること、朝夕は渋滞が発生しているという特徴があります。

大原交差点での事故発生件数は29件で全国ワースト1です。

件数の多い事故類型の主な要因と予防方策を1つ紹介します。

  • 事故要因1:脇見運転や漫然とした運転のため、前方車両の動きや安全確認の不足による。
  • 予防方策1:運転に集中し、安全確認をしっかりする。

2023年は死亡事故はないものの、追突事故が11件と最も多くなっています。

2.池袋六ツ又交差点

全国ワースト2位の交差点は「池袋六ツ又交差点」で、住所は東京都豊島区東池袋2丁目63番です。

池袋六ツ又交差点は六差路交差点で、大原交差点と同じく高速道路の支柱があり、視認の妨げとなっていること、交差点が大きく屈曲しているという特徴があります。

2021年の事故発生件数は21件で、重症事故も2件起きていますが、2023年は死亡事故は発生していません。

件数の多い事故類型は「出会い頭事故」となっていて、出会い頭事故の主な要因は「左右の安全確認の不十分」によるものです。

池袋六ツ又交差点に限らず、出会い頭事故を起こさないためにも周囲の安全確認が大切となります。

3.四谷四丁目交差点

全国ワースト5位、東京都ワースト3位の交差点は「四谷四丁目交差点」です。住所は、東京都新宿区四谷4丁目28番。

四谷四丁目交差点は五差路交差点で、交差点が大きく屈曲しているという特徴があります。

2021年の事故発生件数は18件で、2023年は死亡事故や重症事故は起きていません。

件数の多い事故類型は「左折事故」で、主な要因は信号の変わり目などの無理な左折、左折先の横断歩道の確認が不十分になり、自転車などと衝突したことです。

左折の際には歩行者や自転車、バイクなどの巻き込みに注意が必要です。

横断歩道上の歩行者、自転車の有無を確認し、ドアミラーやバックミラーも使って十分すぎるくらい安全確認をするのをおすすめします。