最近、街を歩いていて、「食品の無人販売や自動販売機が増えた」と感じたことはないだろうか。実際に数年前よりも激増している。

特に目立つのが冷凍餃子の無人販売で、その代表が「餃子の雪松」(運営:株式会社YES、本社は東京都国分寺市)だ。店舗数は400店を超え、すべて直営店。北海道から鹿児島県まで、沖縄県以外の全国各地に店を構えるようになった。

店舗拡大がコロナ禍と同時期だったので、「売り上げ不振で閉業した飲食店跡に出店」とも報道されたが、実はそうではない。店は昼夜で人口比が変わるビジネス街や繁華街ではなく、住宅街中心だ。幹線道路沿いよりも家賃が安い、生活道路沿いにも多い。

そんな雪松の現状はどうなのか。食品の無人販売や自販機は今後どうなっていくのか。ブランドの責任者に取材しながら考えてみた。

餃子の雪松、競合が増えても絶好調なワケ…冷凍餃子&冷凍ラーメンの“二刀流”攻勢
(画像=全国各地で見ることができる「餃子の雪松」の無人販売店、『Business Journal』より引用)

冷凍餃子も冷凍ラーメンも絶好調

「現在は冷凍餃子と冷凍ラーメンを柱に事業を展開しています。年間売上高は非公表ですが、2019年7月から無人販売を始めた冷凍餃子が急拡大して、冷凍ラーメンも絶好調。既存事業に大きく上乗せしてくれました」

運営するYESの高野内謙伍さん(マーケティング部 部長)は、こう話す。

現在、冷凍餃子は雪松(店舗数432店=2023年6月20日現在)、冷凍ラーメンは「日本ラーメン科学研究所」(店舗数は291店=同)のブランド名で販売する。雪松店内に冷凍庫を並べる併設販売が中心だ。

利用経験のある人はご存じだろうが、店は24時間営業の無人運営。「無人だとコストがかからない」と思われがちだが、そうではないと話す。

「実際は毎日1~3回、スタッフが店に足を運び、商品補充や清掃をしたりします。備品の補充・発注もすれば、棚卸し作業もあります。本部にはお客さまからの問い合わせに対応するコールセンターもあり、見えない部分でコストがかかっているのです」(同)

主力事業の「冷凍餃子」は36個入りで1000円(税込み、以下同)、1種類のみの単品販売だ。特製の「たれ」も1個200円で販売する。季節に関係なく売れているという。