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もっと積極的にホンダを知らしめてほしかった「タイプR」
タイプRでもGA2には勝てなかったか・ロゴ(1996年)

もっと積極的にホンダを知らしめてほしかった「タイプR」

オデッセイに赤バッジは夢のまた夢?“タイプR”が出てほしかったホンダ車たち【推し車】
(画像=タイプRの象徴「赤バッジ」を純正装着できるクルマは限られた(ボディカラーが赤なので必然的に赤バッジという車種もあったが)、『MOBY』より引用)

四輪車メーカーとしての初期に、軽トラと並んでいきなりスポーツカーを販売した歴史や、F1などモータースポーツでの活躍から、今でもスポーツイメージの強いホンダ。

その中でも徹底的にこだわり抜いたホンダ自慢のメーカーチューンド、「タイプR」シリーズは有名ではあるものの、車種選定にも「タイプRにふさわしいクルマ」でなければいけないとこだわり、本当に限られたクルマにしか設定されていません。

今回は「そこをあえて!」こんなクルマにもタイプRがあれば面白かったかも…という車種を考えてみます。

タイプRでもGA2には勝てなかったか・ロゴ(1996年)

オデッセイに赤バッジは夢のまた夢?“タイプR”が出てほしかったホンダ車たち【推し車】
(画像=16バルブ91馬力仕様でスポーツハッチを狙う「TS」もあったが、GA2シティが偉大すぎた、『MOBY』より引用)

ジムカーナ競技など、抜群の旋回性能から大物食いの醍醐味を味わえたものの、北米で低燃費車として販売する計画の頓挫や、実用車としてはメリットを感じにくい極端な低重心クラウチングスタイルから、販売面では失敗作だった2代目シティ後継のコンパクトカー。

ひどく常識的でつまらない形に見えますが、実はトールボーイで知られる初代シティより全高が高く(※)、パッケージやスペース効率の面では、ある種の理想を追求したクルマだったのは確かです。

(※初代シティのハイルーフ車を除く)

ただ、トルクバンドを極端に低回転側へ振り、高回転まで回らない、回しても走らない「ハーフスロットル高性能」というエンジンコンセプト(66馬力)が全く理解されず、ホンダ独自のCVT「マルチマチック」のトラブルも多発する失敗作でした。

後に、あえて2バルブ化して搭載したD13Bエンジンを、本来の4バルブ化とパワーバンド・トルクバンドとも常識的なセッティングで搭載した「TS」グレード(91馬力)を設定しますが、ついに走りで評価される事はなかったのです。

しかしこのロゴに「タイプRがあるのでは?」と一部自動車関連メディアで報じられた事があり、事実なら筆者も買おうかなと思っていた事があります(※)。

(※実現しなかったのでダイハツ ストーリアX4を買いました)

仮に実現していたら、GA2シティが積んだ100馬力D13CをベースにDOHC VTEC化…すると重すぎてバランスを崩すので、ピストンのバランス取りやポート研磨など「匠の技」でカタログスペック以上の気持ちいい走りを提供する「D13CスペックR」だったかも?

さらに軽量化で面白いコンパクトカーになったはずですが…考えてみると先代のGA2シティが速すぎ・強すぎで、2000年代には改造車クラスを除くJAF公認競技会から事実上の締め出しをくらうほどでしたから、それより速くするのは難しかったんでしょうね。

後にフィットでタイプRを作らなかったのも、「GA2シティより速いコンパクトカーなんて作れない」という、呪縛があったのかもしれません。