グローバルで戦う国内大手IT戦士「楽天・LINEヤフー・サイバーエージェント・メルカリ」の存在感

 大手SIer以外にも、先進的なイメージを持つ国内の人気IT企業はある。スピード感あるビジネス展開で、エンジニアに働き甲斐を感じさせてくれるという期待が高い一群だ。

「最初にあげるべきは楽天です。チャレンジングな社風が特徴で、三木谷浩史社長は『生成AIに会社をかける』と大々的にぶち上げました。常に新しい技術に力を入れていることに加え、GAFAMに対抗する国内プラットフォーム企業としての存在感が転職希望者をひきつけているようです。

 LINEヤフーは『地方重視・地元志向』の労働環境が目を引きます。LINEは福岡に開発拠点を設けており、『東京の給料で福岡で働ける』ことが売りになっています。食べ物がおいしく自然が豊かで、のんびり暮らせる福岡でワークライフバランスを実現したいという人は少なくないでしょう」

 この両社はIT業界ではもはや老舗といえる存在感を放っている。その一方で、ビジネスのスピード感と新しさで若手ITエンジニアの目を引き付ける企業もある。

「サイバーエージェントの社員は『渋谷の若者』という感じがします。ベンチャーのノリというか、いい意味で学生サークルのノリで突っ走れる環境で、スピード感は抜群です。25歳以下で子会社の社長に抜てきされた社内起業家がもうすぐ2ケタに達する勢いで、一旗揚げたい若手エンジニアにはうってつけの会社でしょう。

 メルカリはフリマ事業を確立していますが、実はその使いやすさと規模の拡大を支える技術開発が非常に盛んな点が特徴です。機械学習エンジニアを大勢採用しており、データ分析に強みがあります。ビジネス上の判断もデータドリブンで行われることが多いので、納得感を持って合理的に働きたいエンジニアは働きやすい会社です」

 近年、国内大手IT企業では「リファラル採用」が増加している。社員の推薦を受けた人材を採用ルートに乗せる方法で、平たく言えば「コネ採用」。とはいえ、採用される側は企業内部の知り合いを通じて事前に企業文化を知ることができるし、採用側もこれを前提に面接ができるので、採用後のコンフリクトが少なくなるメリットは大きい。即戦力の採用に向くリファラル採用が増えているゆえんだ。転職希望者はこのトレンドを踏まえ、今のスキルや経験が、外から見た時にどう評価されるかを確認しておくことが重要だと田中氏は強調する。

「GitHubなどのプログラムを公開できる場所を利用して、自分の仕事を常に評価してもらう態勢を作ることです。同時にSNSで技術的なトピックを発信してフォロワーを獲得する努力を行い、名の通ったエンジニアがフォロワーになってくれれば箔がつきます。しっかり準備をして、評価に見合った転職をすれば失敗を減らすことができるでしょう」

(文=日野秀規/フリーライター、協力=田中健太/鶴見教育工学研究所)

提供元・Business Journal

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