長年続く飲食店は、市場との緊密な関係から希少な食材を仕入れたり、特殊な設備を備えていたりするため、他では味わえない味を提供していることがあります。
豚の珍味やマグロの希少部位、さらにはユニークな餃子まで、こだわりの料理とお酒を楽しめるお店をご紹介します! どれもその街で長く親しまれてきた名店ぞろいです。
【コーディネーター:塩見なゆ】
年間2,000軒もの“はしご酒”を楽しむ酒場案内人。杉並区で生まれ、幼少期から作家の両親に連れられて都内の酒場を楽しんできた異色の背景を持つ。東京を中心に北から南まで酒場を訪ね歩き、お店の魅力を丁寧に紹介する。
▶︎Twitter「塩見なゆ/Syupo公式」
目次
【神奈川・横浜】 豚の味珍
【東京・歌舞伎町】 樽一 新宿本店
【神奈川・横浜】 豚の味珍
横浜の飲み屋街と言えば野毛が有名ですが、横浜西口の狸小路もまた、かつての闇市の雰囲気が残るおもしろいスポットです。この小路には「豚の味珍(まいちん)」という老舗があり、60年以上にわたり地元客に愛されています。
豚の珍味が豊富に揃い、豚の頭、耳、舌、胃、尾、足の6つの部位を独自の醤油味で煮込んだ料理が名物となっています。特に尾は小ぶりで骨が少なく、つまみに最適です。豚の各部位は、2日間かけて煮込んでいるため、どれを頼んでもすっきりとした味わいが楽しめます。味付けには八角などの中華系香辛料は使われておらず、肉じゃがなどの日本の煮物に通じる味付けに仕上がっています。
住所:神奈川県横浜市西区南幸1-2-2
アクセス:JR「横浜駅」徒歩2分
【東京・歌舞伎町】 樽一 新宿本店
捕鯨船の船長を目指し水産学を学んだ初代の佐藤孝さんが、日本鯨類研究所に就職後、1968年に樽一を創業しました。樽一といえば鯨で、新宿で鯨と言えば樽一とも言われる老舗居酒屋です。
店の看板メニューであるくじらの三種盛りは、赤身、本皮、さえずり(舌)のセットで、グループでの飲み会には定番の一品。食べやすい部位が揃っているので、鯨刺し初心者にもおすすめです。全国でも貴重な浦霞の特別な一杯も楽しめます。
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-2-9 シタディーンセントラル新宿東京 B1F
アクセス:JR・東京メトロ「新宿駅」徒歩6分