ゴリゴリのアレンジは、最高にかっこいい!

 TM NETWORKのライブの醍醐味は、”かっこいいアレンジ”。昔の曲であっても”今”のアレンジが加わり、私たちFANKS(TM NETWORKのファンの名称)に進化を突き付けてきます。

 今回一番アレンジされていたのが、「Come On Everybody」。出だしは「KISS YOU」という曲で始まるのですが、徐々に音が重ねられながら、歌い出したら「Come On Everybody」になっているという、いわゆるマッシュアップと呼ばれる技法で、徐々に高まっていくリズムと、左右のスピーカーを往復するように振られる音にFANSKのテンションもアゲアゲになります。あとこの曲に入る前に演奏される合間の曲(インターバル)がかっこよくて「小室哲哉、神!」と言いたくなるほど私たちを高揚させてくれます。

 ただ、このゴリゴリアレンジに宇都宮さんはかなり苦労しているようで、歌い出しのタイミングや歌詞が完璧にきまらず、成功したのはなんと11公演目(熊本)。成功してよかったぁ。毎公演「今日こそは!頑張れ!」という気持ちで応援していました。

 ちなみにFANKSは、ステージでやらかしちゃうことを「ファンサ(=ファンサ―ビス)」と呼びます。なぜ「ファンサ」なのかと言うと、歌詞の間違え等があった場合、普段なかなかお目にかかれないメンバーの照れた表情が見られるからです。不謹慎ではありますが「ファンサ」が大好物だったりします。ふふふ。

 そして、この曲は歌以外にも見せ場があります。それは曲の始まりと終わりにある宇都宮さんの如意棒タイム。

 2~3m程の蛍光管のような光る棒を振り回す時間です。曲の始まりは宇都宮さんの如意棒の動きと背後のLEDの動きが連動しているので、宇都宮さんが会場全体の光を操っている感じで、「うぉーーー」となるのですが、曲の終わりはスポットライトを浴びた宇都宮さんが、静まり返ったステージで赤く光った如意棒を八の字に振り回している姿を見守る…ただ見守る…手拍子?拍手?歓声?どう反応していいのかいつも戸惑っていたのですが、10公演目(福岡)からは効果音が加わり、14公演目(倉敷)からはさらに動きも増え、千秋楽では歓声が上がるかっこよさに仕上がっていました。

FANKSにおくる未発表曲

 「え?この曲何?初めて聞くよね。」 初日(府中)で「Show my music beat」が演奏された時、隣の友人と交わした会話です。

 宇都宮さんが「Kine Naoto、Komuro Tetsuya、for the FANKS!」と紹介して始まるこの曲は、フォーク調の未発表曲。木根さんと小室さんの歌声が手拍子に包まれた会場に温かく響く2人のほっこっりタイムです。

 小室さんがコロナ禍の自分の気持ちを歌ったこの曲。聞き取った歌詞を文字に起こしたら、ウルっとなったので、その一部を紹介します。

~未発表曲 『Show my music beat』 (作詞・作曲 小室哲哉)の歌詞より~

”静かすぎたあの夏に 僕らは君につぶやいた
必ずきっとこの場所に ギターを抱えて戻るよと”

”喧騒が消えた夏 僕らは君にささやいた
必ずきっとこの街※1の ピアノの前に座るよと”

”時空を飛びかうスーパーマンではないから
音を奏でて何かを伝えるためかな”

”一人じゃ何もできない
そんな僕らを君は待ってくれていた”

”Let's you know show my music beat
Let's you know show my heart beat”

 ※1:当初は”街”ではなく、”部屋”、”場所”と歌っていましたが、12公演目(札幌)からその土地の名前を歌うようになりました。

 こんなこと言われたら、一生FANKSです!と宣言しちゃいますね。