
トヨタ自動車の本社(「Wikipedia」より)(画像=『Business Journal』より 引用)
日本で最も売上高の大きいトヨタ自動車。グループによる販売台数は3年連続で世界一となっており、まさに日本が世界に誇る超一流企業だ。2022年に公開された有価証券報告書によると、トヨタ社員の平均年収額は約857万円。同業他社よりも高水準であり、さらに福利厚生も手厚いとされ、就職希望ランキングでもトップに君臨している。そんなトヨタを会社の「立地」を理由に退職する人がいるという話が一部で話題を呼んでいる。「世界のトヨタ」の欠点が立地、つまり本社が所在する愛知県豊田市にあるのか。トヨタ元社員の証言も交え、その真相を探った。
あるサイトでトヨタ自動車に勤める「研究開発 在籍5~10年 新卒入社 男性」の投稿が話題となった。この男性は「退職検討理由」として「立地のみ。東京出身者に愛知県は耐えられない」とコメント。これに対し、「地元民ですらキツイと感じてるんですから、他県の人には無理でしょうね」「名古屋市内なら何とかなる。豊田市はどうにもならん」という共感の声や、「逆にそれ以外特に不満がないってこと?」など驚きの反応が上がっている。
トヨタが本社を置く豊田市は、愛知県北部の三河地方にあり、人口は名古屋市に次ぐ県内2位、面積は最も広いという中核都市。そもそもは「挙母(ころも)市」という地名だったが、1959年にトヨタ自動車と創業者一族の姓をとって「豊田市」に変更されたという、まさにトヨタグループの「城下町」といえるエリアだ。この立地が、退職理由となるというのはどういうことなのか。トヨタ元社員はいう。