154cmでも足着きの心配のないアドベンチャー!? 
WP KOBE EASTが提案するローシャーシ

まずは上の写真を見ていただきたい。
身長154cmのライダーが1290ADVENTUREにまたがって足が着いているのだ。
WPサスペンション専門のプロショップでもあるWP KOBE EASTが提案しているのが、ローシャーシだ。
「ただのローダウンじゃないの?」と思ったら大間違い!
乗りやすく扱いやすい上に、プラスの要素が詰まっているのだ。

WP KOBE EASTのラボラトリー。ここでサスペンションの整備が行われる。

ローダウンでも純正の動きの良さをキープ

ローダウンされた車両は、得てして足着き性を重視するため運動性を欠いてしまうものが多い。
その中で、WP KOBE EASTの手掛けた車両は、ノーマルのハンドリング、サスペンション性能を維持しているのだ。

「オートバイの性能で注目されるのはエンジンですが、それを活かすには最適な足回りが重要です。メーカーが販売しているノーマル車両は、そのメーカーが想定するライダーの平均身長に合わせて作られています。そうすると世界の平均身長175cmのライダーを想定して作られたKTMは、日本人にとってみたら大きくて当たりまえ。足は着かないし、体重も日本人より重いライダーに合わせているから小柄なライダーだと思うように動きません。

WP KOBE EASTでは、個人の体型に合わせてセットアップしています。
具体的にはサスペンション内部のパーツを変え足着きを良くしつつも、キャスター角、乗車時の沈み量 他、標準の数値を崩さない作りなので、ハンドリングは問題ありません。むしろ購入したままで乗るより遥かに乗りやすいです。

よくある、硬い短いバネに交換したりサスペンションの減衰を変更して足着きを改善した結果走りに影響が出る…ということはありません。」

ユーザーの体型に合わせた最適な一台が作れる!!

人間の体型は千差万別。自動車ならシート位置やハンドルの位置を調整して最適なドライビングポジションを作れるが、バイクはそれが難しい。しかし、体を積極的に動かしてバイクをライディングするのだから、むしろ自動車以上に個人の体型に合わせるのは重要なことなのだ。

「オンロードモデルだろうとオフロードモデルだろうと、ユーザーに合わせることはすごく重要です。

ローシャーシを実施するにあたって、オーダーシートには身長と体重をご記入いただいています。ユーザーの体型に合わせて作るのでほぼオーダーメイドですね。女性で体重はちょっと……、という方はご記入いただかなくても大丈夫ですのでご安心ください(笑)。」

ノーマルに戻せるから後々安心

ローシャーシ加工というと大がかかりな作業で、それを行ってしまったら後戻りできないように思うかもしれない。
でも、WP KOBE EASTならそんな心配も無用だ。

「ローシャーシ加工は、シート高を下げるのが目的で各モデルで仕様が変わってきます。
メニューは3つあり、
・サスペンションのストロークを性能に影響のないポイントまでショート加工する
・サスペンションの全長をショートにする
・トライアングルブロックまたはアームの形状を変える
です。

サスペンションを分解して内部のパーツを最適なものに変更するなどして対応していきます。
ですからノーマルに戻せないということはありません。」

リヤサスのエンドアイを交換することでサスペンションの全長を短くする。左側がノーマル、右側がエンドアイを交換したもの。

バイク歴の長いユーザーだと、多少足が着かなくても問題ないと思っている人も多いかもしれない。
特にエンデューロレースを走っているユーザーは足着きをさほど重視していないことが多いのではないだろうか。そんなユーザーにもロワリングは効果的だと山鹿さんは言う。

「走れるユーザーでも足が着くことは大きなメリットです! 体勢が崩れた時に足で支えられれば転ばずにすみます。一度転んでしまえば、バイクを起こしエンジンを掛け……と、しているうちに後ろから来るライダーに抜かれてしまいます。バイクを起こすことで体力も消耗します。ロワリング加工してもノーマルのようにしっかりと動く足回りなので、走りをスポイルすることはありません。勝ちにこだわるならやらない手はないでしょう。」