日本酒「まんさくの花」の醸造元で秋田県にある日の丸醸造株式会社が、SNSで日本酒のラベルを簡単に剥がず方法を動画で紹介しています。
瓶のラベル収集をしている人たちから「きれいに剥がす方法」「簡単に剥がす方法」をよく聞かれるといい、それに応える目的で紹介動画を制作したそうです。
■ 水に浸してラップで密閉→1時間後に剥がすだけ
「この方法なら多くのラベルが簡単に剥がれます!挑戦してみてね」と公開された動画は、3万6000件を超えるいいねを集め、「ありがとうございます」「助かりました」と多くの人から感謝の言葉が寄せられています。
投稿された動画によると、最初にラベルを2~3分、水に浸します。次に1時間ほど瓶にラップを巻いて密閉。
そして巻いていたラップを取ると、簡単にラベルを剥がすことができるという流れ。剥がす時は端からゆっくりと丁寧に剥がすのがコツのようです。
日の丸醸造株式会社代表取締役社長の佐藤さんに話をうかがうと、7月~9月まで横手市増田まんが美術館で開催された「EVANGELION CROSSING EXPO -エヴァンゲリオン大博覧会-」で、複数の来場者からラベルの剥がし方を聞かれたことが投稿のきっかけだったそうです。
このイベントで日の丸醸造は開催を記念して、数量限定「純米吟醸 まんさくの花 ミサト(美郷錦仕込み)」を税込1980円で販売(すでに完売)。次に特別な商品を発売する時に、ラベルの剥がし方の動画を紹介しようと考えていたといいます。
そこで11月11日にアイドルグループ「私立恵比寿中学」とのコラボ商品を発売することになり、11月9日に投稿したそうです。ちなみに動画は1分程度ですが、動画編集の経験者が従業員にいなかったので「完成までに3時間かかった」といいます。
■ ラベル製作の裏話も聞いてみた
せっかくなので、ラベル製作の裏話についてもうかがいました。ラベルのデザインはどのように決めているのか聞いてみたところ、日の丸醸造の場合は自社でデザインすることが多いそう。商品のイメージからいくつかラフ案を作り、良いと思ったものを詰めていく感じとのこと。
「まんさくの花」は多種多様なラインナップが特徴で、タンクごとに商品のイメージに合わせたラベルを作って発売しているそうです。夏にロックで飲むために仕込んだ日本酒のラベルは、かき氷をイメージしたラベルになっており、人気なのだとか。
製作期間はデザインにより様々。3か月かかるものもあれば、1週間ほどで決まることも。2023年に発売した「微炭酸の美味しい日本酒」という商品は、炭酸感のあるオシャレなラベルを作ろうとして、2か月以上も難航。しかし、ある日「文字だけのラベルで良くない?」というアイデアが出て、そこからとんとん拍子で完成まで至ったそうです。
今回の投稿の反響について佐藤さんは、「100くらいリツイートあるかな」程度の感覚でいたため、非常に驚いていると語ります。
日本酒はマニアックな飲み物なので、普段から「日本酒の良さ」を広めようと様々な試みを実行。しかし、既存の日本酒ファンの垣根を超えて新規層にアプローチをするのは非常に難しいと実感しているそうです。
ただし今回は「普段、日本酒をあまり飲まない方にも届いたと思う」と手ごたえを感じている様子。1人でも多く、日本酒のファンが増えてくれたら嬉しいと語っていました。
<記事化協力>
日の丸醸造株式会社(@mansakusake)
(佐藤圭亮)
提供元・おたくま経済新聞
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