そもそもなぜこのようなサイトが「広告」で掲載されているのか
さて気になるのは、なぜこのような広告が許されているのか、ということです。
クリックして悪質なサイトに誘導させる目的であれば、当然事前の審査で「却下」されるはずです。しかもこの広告は月間3億PVもある大手サイトにも表示されており、誰でも目につくところにあります。
詳しく調べたところ、一つの可能性として、審査時と、サイトの中身がごっそり変わったのではないかという可能性があります。
通常、広告の審査では特定のURLを記載し、目的などを申請します。その時点では、問題ない広告だったのかもしれません。しかし、ある程度、広告が出回った段階で中身を変えるという手法がとられた可能性があります。
ためしに、問題のサイト(サポート詐欺のページ)のURLのキャプチャを取ってみると、全く別のサイトのキャプチャが取得されます。おそらく別サイトの状態で審査をかけ、最近になって「悪質な内容(サポート詐欺ページ)」に書き換えられた可能性が考えられます。
しかも、書き換え方が巧妙で、HTMLのソースコードを見ると<iframe>タグを使って、一見表向きは問題のないサイトに見せかけ、<iframe>の表示先に、悪質なサイトを表示させるというものです。
念のため<iframe>の表示先を調査したところ、不正サイトとして検知されます。
このように「サポート詐欺」は、ありとあらゆる手口で我々と広告配信業者および、大手メディアをも巻き込んで騙してきます。結局損をするのは我々、インターネット利用者です。
一連の手口にひっかからないよう、細心の注意を払い、少しでも「危なそうだな」と感じたら、決してクリックせず、万が一クリックしても、電話をかけたり、不正なプログラムをインストールしないようにしましょう。
なお、この手の詐欺広告はWEBサイト以外に、SNSでも近ごろ登場しています。手口については『Xでヤバ過ぎる詐欺広告を発見 広告として出てくる「なぜご飯を食べられないのですか?」は絶対踏むな』にて詳報済です。
(おたくま経済新聞・ネット詐欺調査担当:たまちゃん)
提供元・おたくま経済新聞
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