ジェフユナイテッド市原・千葉(J2最終順位:6位)
自動昇格圏までは届かなかったが、6年ぶりとなるプレーオフ進出を果たしたジェフユナイテッド市原・千葉。2023シーズン終盤には7連勝を記録するなど、急激に調子を上向かせて久々にJ1復帰のチャンスを得た。開幕直後の8戦未勝利がありながらもたどり着いた舞台。その戦いに注目が集まるのは間違いないが、気がかりなのはその失速感だ。
連勝がストップしたリーグ最終盤には、第39節の東京V戦(2-3)、最終第42節のV・ファーレン長崎戦(1-3)と上位勢との直接対決に競り負けてきた。特にプレーオフ初戦相手である東京Vには、2点先行してから終盤に連続ゴールを許しての逆転負けを喫し、相手に自信と勢いを与えてしまう結果となっている。東京Vとは互いに長くJ2で苦しむクラブ同士。千葉は前回対戦の雪辱を果たしてJ1復帰の道を繋ぎたい。
プレーオフ決勝で対戦する可能性のある清水には今季負けはないが、山形には2連敗中。勝ち上がったとて相手によっては苦戦が予想される。また、最終順位6位から、いずれの対戦カードでも勝利が必要な千葉。4クラブで唯一最終節を黒星で終えていることもあり、この約2週間でどこまで立て直しが図れたかがカギになる。
勢いでは東京Vと山形が優勢か
以上のJ1昇格プレーオフ進出4クラブの状況から、リーグ戦最後まで勝利で自動昇格圏に肉薄した東京Vと、劇的な勝利でプレーオフ進出を決めた山形が、その勢いから優勢と見ることができる。
一方、清水は最終節で自動昇格圏を取りこぼした落胆から、千葉は逆転負けを喫した悪い流れから、それぞれどれだけ立て直しを図れたかが勝負の分かれ目となるだろう。
J屈指の名門3クラブと2年連続進出となったプレーオフに懸ける山形。いずれのクラブが勝ち上がるにせよ、今季のJ2がいかに激しかったのかを象徴する2試合になることは間違いない。