清水エスパルス(J2最終順位:4位)
2023シーズン開幕から7戦未勝利という危機を乗り越え、第41節終了時点では自動昇格圏の2位につけていた清水エスパルス。最終第42節の水戸ホーリーホック戦の勝利でJ1復帰を決めるはずだったが、結果はまさかのドロー(1-1)。その手に掴みかけた自動昇格はこぼれ落ち、同じく静岡県を本拠地とする磐田にその座を明け渡すこととなった。
だが、悔やんでいる暇はない。厳しいプレーオフをあと2戦勝ち抜かなければ、今度こそ1年でのJ1復帰の道は断たれてしまう。初戦の山形との今季戦績は1勝1敗。アウェイの地では1-2(第19節)と敗れたが、ホームで3-0(第34節)と返り討ちにしている。ホームの利を活かし、勝利時と同じく前半から勝負を決めに行きたいところだが、最終節でプレーオフ進出を決めた山形の勢いに飲まれないかが気がかりだ。
プレーオフ決勝に進めば相手は東京Vと千葉の勝者となるが、東京Vにはシーズンダブルを果たしている一方、千葉には1分1敗と勝てていない清水。一見すると東京Vとの対戦が望ましく見えるが、最終盤粘りの勝利を重ねて自動昇格圏に迫った東京の勢いもまた怖さがある。
なにより、シーズン終盤の経緯を考慮すれば、清水が4チーム中最も不本意なプレーオフ進出となったと言えるだけに精神面も大きな不安要素。とはいえ、悪夢のようなシーズン序盤から抜け出してきた自信もあるはず。チームを立て直しここまで漕ぎつけた秋葉忠宏監督の元、今一度奮い立つことができるか。最後の試練に臨む。
モンテディオ山形(J2最終順位:5位)
J2最終第42節で、昨年の天皇杯覇者ヴァンフォーレ甲府を2-1で下してプレーオフ進出を決めたモンテディオ山形。2年連続のプレーオフ進出となるだけに、懸ける思いは4クラブの中でも高いと言えよう。
思えば2023シーズンは、2連勝と快調な滑り出しをしたのも束の間、第3節の磐田戦(1-2)以降まさかの8連敗。途中5連敗の時点で昨年プレーオフ進出に導いたピーター・クラモフスキー監督の解任もあり、先行きが不安視される序盤戦を過ごした。しかし終盤3度の5連勝もあり、終わってみれば5位と、昨年(6位)以上の順位で着地できている。
11月25日のプレーオフ初戦で当たる清水とは今季1勝1敗。決勝で対戦する可能性のある東京Vにも1勝1敗で、同じく千葉には2勝と、戦績の上では決して不利ではない。清水との前回対戦は前半のうちに3失点を喫して差を見せつけられている(第34節0-3)が、プレーオフ進出を決めた流れからいけば、この清水戦に勝利すればその勢いはますます止められないものとなるだろう。
まずはアウェイの地で雪辱を果たせるか。山形は最終順位から勝利が絶対条件となるだけに、試合序盤から最終節の勢いそのままに突き進みたいものだ。