攻撃時の配置が悪い場面も

この日の日本代表は、半田とバングーナガンデの両サイドバックのどちらかが攻め上がり、同時に最終ラインの残り3人で3バックを形成しながら自陣からパスを回す形にトライ。松木と藤田譲瑠チマも適宜最終ライン付近でボールを捌き、自軍のパスワークを活性化させていた。

様々な攻撃配置を試したなかで、日本代表は前半30分にパスミスからピンチを招いている。GK藤田からパスを回そうとしたこの場面では、4バックが自陣後方で横に開きすぎてしまい、サイドバックがタッチライン際に立つ形に。これによりDF木村誠二(FC東京)の横パスをタッチライン際で受けたバングーナガンデが、対面の相手FWソラリのプレスを浴びてしまった。

これと同時に、左サイドハーフの佐藤もシモンに捕捉されていたため、日本代表は自陣でボールロスト。この直後にアルゼンチン代表にチャンスを作られた。

4バック(最終ライン)が自陣後方で横に広がった状態でビルドアップした場合、サイドバックの傍にはタッチラインがあるため、左右どちらかのパスコースが消えてしまう。また、サイドバックが相手のサイドハーフやウイングFWのプレスをもろに浴びる立ち位置をとることになるため、ボールを失う確率も上がる。大岩監督が言及した「チームの構造的な課題」とは、まさにこれだろう。来年4月に始まるパリ五輪アジア最終予選(AFC U-23アジアカップ)に向け、攻撃配置の改良も急務だ。