パリ2024オリンピック(パリ五輪)の出場権獲得を目指す22歳以下のU-22日本代表は11月18日、U-22アルゼンチン代表と対戦。最終スコア5-2で勝利した。
ここではIAIスタジアム日本平(静岡県)にて行われた今回の国際親善試合を振り返るとともに、U-22日本代表を率いる大岩剛監督の会見コメントを紹介。そのうえで同代表の戦いぶりを論評する。
U-22日本vsU-22アルゼンチン:試合展開
両軍ともに[4-1-2-3]の基本布陣を採用。ロングボールを蹴り合う時間帯もあったが、基本的には互いに最終ラインの隊形変化を駆使しながらパスを回し、相手のハイプレスを掻い潜ろうとしていた。
試合序盤の均衡を破ったのはU-22日本代表だった。前半18分、MF松木玖生(FC東京)の縦パスを受けたMF佐藤恵允(ブレーメン/ドイツ)が、ペナルティアーク付近で右足を振り抜く。このミドルシュートが相手ゴールに突き刺さった。
日本代表は幸先良く先制したものの、前半22分に佐藤恵允がハーフウェイライン近辺より繰り出したバックパスからピンチに陥ってしまう。自陣でボールを回収できなかった同代表はU-22アルゼンチン代表の速攻を浴び、最終ラインの背後を突かれると、FWパブロ・ソラリに同点ゴールを奪われた。
後半2分、日本代表は敵陣でボールを失い、またもアルゼンチン代表の速攻を浴びると、DFバングーナガンデ佳史扶(FC東京)が自陣ペナルティエリア手前でソラリを倒してしまう。このファウルによって与えられた直接フリーキックを、アルゼンチン代表FWチアゴ・アルマダに物にされた。
鈴木唯人がかつての本拠地で躍動
日本代表に漂った嫌なムードを払拭したのは、背番号10のMF鈴木唯人(ブレンビー/デンマーク)だった。
後半21分、DF半田陸(ガンバ大阪)の横パスを受けた鈴木が敵陣ペナルティアーク付近からミドルシュートを放ち、同点ゴールをゲット。同30分にも日本代表が敵陣でのボール奪取から速攻を仕掛け、左サイドを駆け上がったMF松村優太(鹿島アントラーズ)がクロスを上げる。この直後の半田のラストパスを鈴木が相手ゴールに押し込み、自軍に勝ち越し点をもたらした。
IAIスタジアム日本平を本拠地とする清水エスパルスでプレーし、その後欧州に渡った鈴木。かつてのホームスタジアムで最高のパフォーマンスを披露した。
勝ち越しに成功した日本代表は、その後ハイプレスからの速攻で試合を掌握。後半36分には敵陣でのボール奪取から松村がミドルシュートを突き刺し、試合の趨勢が決まる。同43分にも途中出場のFW福田師王(ボルシアMG/ドイツ)がMF藤田譲瑠チマ(シント・トロイデン/ベルギー)からのロングパスを結実させ、駄目を押した。