すぐに2tトラックいっぱいのゴミが集まる

小一時間活動を行ってきたが、2tトラックにいっぱいのゴミが回収された。活動後も、疲れているであろうが、談笑する姿や、小さいお子様が一服する姿も。ほのぼのした光景が印象的だった。

漁港の清掃ボランティアに参加したら2tトラックいっぱいのゴミが集まった【福井】2tトラックがいっぱいに(提供:TSURINEWSライター・笠野忠義)

この回収されたゴミ。皆さんの地域ではどうであろうか?行政で回収してくれるところがあれば、ゴミ処理施設へ持ち込んだりしているかと思う。

今まで福井でもごみ処理には苦悩があり、日釣振福井支部でもある「フィッシングポイント」で契約している引き取り業者に依頼していた。大量のごみを店まで運ぶのも一苦労だ。

しかし、今回からは福井県越前町で一般廃棄物収集を営む企業から収集運搬を受け入れると手が上がり、回収後の苦労が軽減された。しかし、なぜ企業側から手を挙げていただけたのだろうか?

漁港の清掃ボランティアに参加したら2tトラックいっぱいのゴミが集まった【福井】ゴミを運搬(提供:TSURINEWSライター・笠野忠義)

釣り人有志で作り上げるクリーンナップ活動

実はこの企業の社員さんが、フィッシングポイントのお客さんであり、ぽつりと「清掃活動して、その後どうしているの?」という一言から清掃活動が始まっているのだ。

現状を聞いた社員さんが社長さんに活動の現状等を踏まえ相談。「企業としてもボランティアに参画しよう」と話が進み、今回より無償で収集運搬・処理をしていただけることになった。

漁港の清掃ボランティアに参加したら2tトラックいっぱいのゴミが集まった【福井】ゴミを処理中(提供:TSURINEWSライター・笠野忠義)

「株式会社 武生環境保全」は、福井県越前町(旧武生市)に位置し、越前市・南越前町の一般廃棄物回収や、大手企業や医療機関の産業廃棄物の収集運搬・処理などを手掛ける。「RPF」という固形燃料を製造し、民間企業として全国で初めて固形燃料化に取り組んだ企業である。

今回集められたゴミも、空き缶以外は当日に焼却処分。空き缶はリサイクルされたようだ。しかし、活動参加者も釣り人、回収業者も釣り人、運営も釣具店。釣り人で成り立つクリーンナップ活動、ほかの地域や団体にも注目されることに期待したい。

漁港の清掃ボランティアに参加したら2tトラックいっぱいのゴミが集まった【福井】株式会社 武生環境保全のトラック(提供:TSURINEWSライター・笠野忠義)

釣り有志での清掃活動の名は

先ほどは日釣振主催の清掃活動。これから話すのは釣り有志で普段から行うクリーンナップ活動である。その名も「漁港きれい応援隊」だ。

「釣りをする場がなくなる」「立ち入り禁止ばかり」という声をフィッシングポイントスタッフ平内さんが釣り人を代表して漁協の組合長さんに何とかならないかと相談したのが始まりだった。

相談に行ったのは茱崎漁港(越廼漁協管轄)。福井の漁港と言えば……と真っ先に出てくるような漁港だ。元々、イベントを当漁港で行う際に組合長さんに許可をもらっていることもあって、話に応じてもらえた。

福井は立ち入り禁止の漁港が多い

実際、私も年に数回ほど福井県まで釣りに来ていたが、立ち入り禁止が多いと聞き、どの場所が立ち入り禁止なのかも不明なため、足が遠のいていたのは紛れもない事実だ。

最近、とある用事で福井県で釣りをする機会があったが、そこにもゴミが。東屋の中で飲食したであろうファーストフード店の紙袋が放置され、また、テーブルの上でキャンプのコンロでも使ったのか、テーブルが焦げていた。

漁港の清掃ボランティアに参加したら2tトラックいっぱいのゴミが集まった【福井】東屋に放置されたゴミ(提供:TSURINEWSライター・笠野忠義)

漁協で何かするといっても人手が少ない。また、駐車協力金のような措置をとるにも人手不足だし、「お金払ってるんだから」と権利を主張されるのも困る。

釣り人で清掃活動することを提案

漁港の駐車場はもともとは漁業関係者と遊漁船の乗客の駐車場であるというのを忘れてはいけない。組合長さんも柔軟な方で、「迷惑行為などしなければ、釣りも大いに楽しんでもらえれば」と話されたそう。

そこで提案したのが「釣り人で清掃活動しましょう」だった。普段の格好で釣り人に声をかけてもトラブルになりかねないので「腕章をして活動します」となった。

このことから越廼漁協・福井漁協とタイアップしての活動が始まり、腕章にも「福井市・越廼漁業協同組合・フィッシングポイント」と名前が入っている。

漁港の清掃ボランティアに参加したら2tトラックいっぱいのゴミが集まった【福井】清掃活動の腕章(提供:TSURINEWSライター・笠野忠義)