エミレーツ・スタジアム 写真:Molly

赤と青のアイコンに大きな大砲がイメージのサッカークラブと言えば、プレミアリーグのアーセナルだ。現在同クラブに所属する日本代表DF冨安健洋は、日本時間10月28日の第10節シェフィールド・ユナイテッド戦で所属後初ゴールを決め、10月の月間最優秀選手賞を受賞した。

世界的にも非常に有名なクラブの1つであるアーセナルには、137年を超える壮大な歴史が存在する(創設1886年)。また、イギリスのロンドンに位置するアーセナルのホーム、エミレーツ・スタジアムは、イングランドで5番目に大きなスタジアムだ(現在の収容人数60,704人)。

ここでは、そんなエミレーツ周辺を実際に散策して厳選したマニアックなスポット6選を紹介したい。アーセナルのフォトスポットからオフィシャルグッズショップ、選手達が通うカフェまで、所属選手のファン、クラブそのものを愛する人々、今後現地で本場のプレミアリーグ観戦をしたいと思っている人々にとって、役立つ情報となれば幸いだ。


エミレーツ・スタジアム裏手側 写真:Molly

1)ドレイトン・パーク駅周辺(フォトスポット)

エミレーツの正面入口側は、日本でも様々なメディアで写真が取り上げられているが、裏手側の入口周辺にはあまりスポットが当たっていない。実はそこには正面には無いフォトジェニックな景色が存在する。裏手の入口へは、いくつかある最寄駅の1つドレイトン・パーク(Drayton Park)駅で下車し、駅を背にして左方向へ進むと1、2分程度で到着する。アーセナルの大きなモニュメントが建ち、スタジアムを背景にとっておきの1枚を記念撮影することができる。

おすすめの時間帯は土日の朝!駅前という立地から平日は通勤する人々が行き交うため、休日の朝であれば比較的人通りが少なくベストショットを狙いやすい。またモニュメントを通過して間もなく、地域の街に溶け込むようにしてクラブ創設年「1886年」の文字を建物の間から見ることができる。年号が物語るアーセナルの歴史と、住宅地から漂う現代らしさ、この2つを同時に写真に収めることができるマニアックなフォトスポットだ。


アーセナル・スタジアム 写真:Molly

2)ハイベリー(旧ホームスタジアム)

アーセナルのかつてのホーム(1913-2006)アーセナル・スタジアム(愛称ハイベリー)は、ファンなら一度は実物を目にしておきたい。前述のドレイトン・パーク駅からエミレーツとは逆方向の住宅街へ進むと、白地に赤の窓枠、アール・デコ調の上品さを兼ね備えた門構え、雰囲気が大きく異なるハイベリーが突如顔を出す。一見すると煉瓦色に煙突のある周辺住宅街の並びに上手く収まっているのだが、やはり大物感を隠しきれていない雰囲気で面白い景観だ。

現在ハイベリーはアパート、幼稚園、フィットネス・スタジオなど、商業施設や地域のコミュニティーなどに活用されており、施設内部に入れるのは関係者のみ。しかし敷地内は誰でも自由に入ることが可能だ。実際に入ってみると、当時のスタジアムの名残が全体の骨組みや壁や窓などからどことなく感じられ、一方で近代的な雰囲気もあり不思議な空間が広がっている。ピッチ部分の敷地は、施設の中庭のような扱いで再利用されている。

敷地内を散歩中の方に、ハイベリーの活用についてどう思うかを聞いてみたところ「アーセナル自体が地域の誇り、アイコンのような存在なので、その元施設を再利用することは当たり前のこと」と、クラブが地域に深く根付いていると感じられる回答だった。日本はまだサッカーの歴史が浅く新しいスタジアムが多いが、今後ハイベリーのように歴史を重ねた時には、この先進的な取り組みを参考に再活用されることも期待したい。


アーセナル・サポーターズクラブ 写真:Molly